2012/1〜3


1/1 Sun
猫も見ている

 あけましておめでとうございます!
 今年も今野隼史と、当サイトをよろしくお願いいたします。例年のんびりやることを宣言する元日の日記だけど、今年は例年以上に、頑張ると心を決めました。怠惰と慣性に身を委ねることなく、いいものを描き、時流の流れに目を背けず、さりとて流行には闇雲に乗らず、ひょうひょうと暮らし、日々のさりげない喜びを日記に刻み、会った人のことを忘れず、たまに奥さん自慢を人々に呆れられる、そういうサイトにここはなりたい。

 なんて正月っぽい宣言!

 いや、「なまけてたな」ってのが昨年一年振り返っての自分の総括でした。
 考えることと、ちゃんと出力することをなまけていた感じ。
 適度に反省して、堅実に暮らしていきたいもんだなー。

 まずは夏頃までに、数年ストックを貯め続けていた「辺境画商β」に決着をつけたいと思います。


1/3 Tue
シュレディンガ・フォークス 不確定の王女(新書版)
 年を越して本日無事帰宅。昨年末は素晴らしいお義兄様から黒3DSを頂いたので(本当は妹である奥さんが貰ったのだけど、色の問題で自分が譲り受け、奥さんはあらためてレッドを買った)、このイカしたおもちゃでどうやって遊ぼうかと真っ先にマリオカート7を買ってきました。……一本だけ。
 PSPの地球防衛軍がやってたように、家族向けの複数本割引パッケージとか、安価なDL版とかないものかなあ。ヘイホーを駆って新しいコースを走るたび、そういうことを思うのです。ネット対戦とか始めたりしたら、きっとうりゃあと勢いでもう一本買うことになるだろうね。

 年末に出た自分が書いたり挿絵を描いたりしている同人誌、シュレディンガ・フォークスだるふぁいと!TRPGのWEB通販が始まってます。冊子情報はそれぞれのリンクで、リアルタイム販売情報については個人誌infomationに詳しく書いております。
 この二冊は店頭販売もあるようなので、お近くにお店があるときは遊びに行くのも良いかと思いますよ。
 ……にしてもリプレイ、重かったり読みやすかったり、素敵にアンバランスな本になったな(笑)。最初はカバー付きを提案してたんですが、仕上がり結果を見ると、なんだか海外のペーパーバックっぽくて格好いいかも。


1/4 Wed
お神籤の木
 三が日をスルーして神社へ初詣に行ってきました。丁度良いタイミングだったみたいで、無事に人混みを回避。子供がはしゃいでいて境内が賑やかです。すげぇ美味そうな香りを放つたこ焼きを買うのは自重しました。
 お神籤は自分は末吉、奥さんは大吉。二人とも去年と全く同じです。
絵馬
 絵馬にお絵描き。即興短時間で絵を描くのはスケブもそうなのですが、結構苦手です。ニュースでたまに見る「聖地参拝のかなり描き込まれた絵馬」って、自宅に持ち帰ってじっくり描いてから、改めて飾りに来てるのだろうか? 来年はトールペイントとかして飾ってみようかな。
 6月くらいになってふらっと人気のない神社に散歩に行って、正月に下げた絵馬を再び見直したりするのが好きです。

1/6 Fri[Gallery 看板絵&過去の年賀状]
蛙の置物(STATUE of FLOG)
 お神籤に小っちゃいお守りも入っていて、これを財布に入れとくと帰途に御利益があるそうです。小銭と一緒に入れて、がんがん自宅に帰りまくろう。
 仕事フォルダをひっくり返して、公開分が溜まっていた看板絵と過去三年分の年賀状絵をGalleryに載っけておきました。この年月の間に、変遷があったのかなかったのか……。

1/7 Sat

 色々な方面から美味しいリンゴをたくさん頂く季節です。独り暮らしの頃は切って食べるか穴を開けてバターとブランデーを注いで焼いて食べるかしか方法がなかったのですが、結婚してからジャムとケーキとパイという選択肢が増えました。ありがたい。

 本日はカレー初めでした。2012年もありとあらゆるカレーを食べていこうと思います。全てはスパイス代と白飯代と程よい具材のために、がんがん稼ぐぞ。

1/10 Tue

 メロンブックスDLシュレディンガ・フォークス電子版の販売が始まりました。購入&鑑賞環境はAndroid、iPhone、windows、macなど。
 実際うちの場合は一ヶ月に1部だけ売れていくような、超小規模媒体である電子版同人誌なのですが……「物質はいらない(本棚がいっぱい!)」「安価なら電子版でも良い」「端末で読みたい」そういう需要も必ずどこかにあるはずだと祈りながら、昨夏から冊子版の委託販売のかたわらで電子化を始めております。
 物質でないので冊子版に比べて5割安い値段設定にできました。編集・コピー無制限(DRMフリー)のPDFファイルが本体です。
 本文中の文字データを全収録したtxtファイルもおまけとしてくっつけているので、用途に応じて、読みやすいように読んでもらえると幸い。

 年に二回はお好み焼きともんじゃ焼きを食べます。粉物に縁のない子供時代を過ごしてきて、大人になってようやくこいつをためらいなく焼けるようになりました。意識の全てを鉄板に振り向けないと食べられない料理で、無心になりたいときはとても良い。

1/11 Wed

 異国迷路のクロワーゼBD&DVD第5巻に、自分が描かせていただいたお祝いイラストがカードになっておまけのひとつとして封入されているみたいです。恐縮です!
 本編の暖かさ精緻さはもちろん、素敵なおまけも満載なパッケージ。手に取られた方はケースの内側でお会いしましょう−。

1/13 Fri

 せっかくなので名札に加筆してパーティー会場へ。
 夕方から目白で富士見書房の新年会でした。年始に開催されるこのパーティー、自分にとってはおおむね毎回美味しい料理を頂いて大楽絢太さんと会って近況を喋る楽しい会です。
 ただし春頃にラジオ収録を画策してるため、お互い肝心な話題をセーブするという事態に。ラジオでは言えないような楽しすぎる話だけをしてきました(笑)。本題はまた後日だ。名古屋・ダムの次はどこに行こうかな?
 昨年個展に来て頂いた吉村夜さんにもあらためてお礼を言えて一安心。次回のRPG W(・∀・)RLDについて、あれこれ企んだ話もしつつ……(にやり)。

 今回は偶然隣に椎名優さんが座られてて、自分も奥さんも学生時代に絵を見てすげぇと呟いた人間同士、超緊張しつつお話しさせていただきました。自分は「エンジェル・ハウリング」の挿絵を見てすげーと言いながら、かつて椎名さんのサイトにあったPainter6のわかりやすいハウツーを見てデジタルペイントを学んだ人間です。
 凄い体験をしたなー。なんとこのサイトや「絶体絶命英雄」を見てくださってると聞き、これもまた、超びっくり(背筋が伸びる)! こんなに嬉しいことはない。頑張ろう−。

 「レギオス」深遊さんとも数年ぶりにお会いできて、昨今なかなか聞くことのできなさそうなディープなアナログ絵話をすることができました(使用画材的にむしろ、奥さんの方が話を膨らませてた。身近にいるとなかなか実感しにくいけど、彼女もかけねなしに巧みな描き手です)。アナログのイラストレーターが少なくなりましたねー、と、コピック使いと水彩使いとガッシュ使いの三人でしみじみしたり、最近のライトノベル挿絵を巡る状況に対して闘志を燃やしたり(笑)。

 その他にも、尊敬する素晴らしい絵描きの方々とたくさん挨拶する機会を得られて、最近ないくらいやる気をチャージされました。楽しかったー。
 同業の方と絵についてじっくり話をする機会は滅多にあるものではなく(同人誌即売会だとばたばたしちゃうしね)、一年に一回あるこの新年会は、良いです。
 自身で描いてきた作品をもって話をするしかないので、向こう一年も、あれこれ新しい絵を描いて話のネタを溜めていかないとな、思う次第です。
絶体絶命英雄 episode4「告白」編、今回で大団円です。描き終えてみるとまっとうなラブコメになったな、と思う。
 鳥のプルシャが思った以上に人気を得てて面白い(コメント感謝です! 毎日チェックしてます)。表情を描きにくい造形のキャラだったけど、描いてて可愛かったな。


1/14 Sat

 辺境紳士社交場唯一の18禁らくがき集「シンメトリカルゲイザー(リンク先は全年齢)についてやり取りしたメールの、自分が書いた一部を転載します。
 当冊子の18歳未満の購買についての自分の見解です。

 こちらではサークルに来てくださる方全員に年齢確認を取っていないので、実質18歳未満の方でも当サークルの18禁冊子が手に取れるようになってしまっています。
 このあたりは個々人のモラルに委ねるに留めるのが一番現実的だろう、と自分個人は考えていました。
 もしも冊子責任者である自分に「16歳でもこの本を読んでも良いか?」と聞かれた場合、自分は立場上NOと答える事しかできません。
 これを認めてしまうと……以前イベントで「自分は18歳未満だから、この本読めないんですよ」とわざわざ自己申告して買わずに帰った方がいて、そういう"こちらの立場も考えて、ちゃんとルールを守ってくれた方"にとっても申し訳が立たないのです。
 こちらの本音は「できることなら、18歳になってから読んでほしい」です。よろしくお願いしますね。


 以上引用。
 サークルとして未成年に対する表示・告知・対策不足があった場合は、こちらが省みなければいけません(事実自分は、これを機会にちょい反省しました。18禁表示が足りてなかったな、と思う)。
 一方で「実質、サークルに来た全員に年齢確認を取ることはできない」という描き手側の事情も言い訳を多分に含みながら、確かにあります。
 仮に描き手が「16歳が読んでもそんなに問題なかろう」と思ってても、場のルールとして18歳未満の方にこの冊子を頒布することは禁止されていて、自分はそのルールを遵守したいと考えています。
 建て前と本音とルールが入り交じった非常に面倒くさい問題なのだけど、もし18歳未満の方で「シンメトリカルゲイザー欲しいなー」と考えている方がいらっしゃいましたら、上記したことを心得て頂けると大変ありがたいです。
 あそこに書いたように、自分は「こちらのためにちゃんとルールを守ってくれた方」を最優先に考えたいと思っているのです。


1/15 Sun[Gallery 辺境画商(β)043-044]

 仕事に追われてるとか盆暗なことを言ってるようではいつまでも着手できないだろ、と自分を叱咤して、合間合間にB5イラストボードに鉛筆を走らせたりしている今日この頃です。そんなわけで、本格的に「辺境画商(β)」の作画を再開しました。
 募集をしてからもう三年前の話になってしまいますが(手が遅いにもほどがある)、発注を覚えてくださっている方は、さりげなく日記直下にあるリアルタイム進捗と、メールボックスを確認してやって頂けると幸いです。待たせまくった分、絵が三年分上手くなっていないと申し訳ないぞ、自分……。


1/19 Thu[Gallery 辺境画商(β)045-046]
蓋の思い出
 寒いわすぐ日が落ちるわで、冬はなんだか精神的にもコンディションが良くない。ザ・雪国な地元にいた方がむしろ寒くなかった気がするのだけど、どうも近年の冬は、活動量が落ちるなあ……。やる気はやんなきゃ立ち上がらないとほぼ日手帳にも書いているので、とにかくなんか、手を動かそう。


1/27 Fri
雪の夜が明けた
 雪が降ると体の奥底の秋田県民の血が落ち着くのです。地元だと曇天続きなのがデフォルトだったけど、関東だと快晴が日常で、実はいまだにこの土地の冬晴れっぷりには「祭りか! なんかの日か!?」と連日そわそわしてしまいます。個人的には中間くらいがちょうどいいな。


 ホームメイドなケーキ!

 ショップメイドなケーキ!

 美味しいケーキさえあれば人生に輝きが加算される。みんなも平日にケーキを食べよう!

 1/28(土)20時より、ずいぶん久しぶりのお絵描き配信しようと思います。今回は絵の具による着彩(辺境画商(β)ではないです)。
 美少女とかがもりだくさんですよ!
 始まったらこのサイト上にビューアを設置しますので、お時間が合いましたら、ふらっと見ていってくれると幸いですー。

2/2 Thu
ほぼ日刊みそら
 ここ数年の自分はほぼ日手帳Springのユーザです。ちかごろ2012年度分の手帳(の中身)が発売されたので、ロフトに駆け込んで前もって買っておきました(ロフトがない場所ではWEB通販で買えます)。
 らくがきやアイデアプロットにも耐える紙面の広さには、絵を描く人間にとってたまらない心強さがあります。
「よつばと!」とーちゃんも使ってるというのには、読者としてさりげない心強さも覚えます。
 とにかく心強いこの手帳を数年使ってたので、久々に、カバー・オン・カバーの内側の絵を描き替えてみました。クラフト紙にアクリルガッシュで着彩、背の部分の裏からメンディングテープを貼って補強してます。絵描きの人は、自分の絵をここに仕込んでおくと、初めて会った人との話題の種になったり、背筋が伸びたりしてちょっぴり良い事がありますよ。

2/9 Thu

 日が少しだけ長くなってきたり雨が降ったりなんか鼻の奥がつんと痛んだり、関東では季節の移り初めを感じてきました。
 花粉症だって?
 なんのことだか……(肩すくめ)。
もう一つのラフ
 このあいだ動画中継していたUstreamガッシュによる着彩光景(序盤:下塗り段階)を、こちらで録画公開しています。三時間近くある無音の動画なので、気になるパートだけ飛ばし飛ばしで見てみてください。彩色自体は動画の31分から始まります。
 このイラストがなんのために描かれたのかは、遠からず紹介できると思います(愛用してた人は一発で気付くかも)。

フローティングジェリー
 近頃の自分は勉強ブームで、「PhotoShopアナログ調ブラシの実践的な使い方」とか「今っぽい肌の塗り方」とか「萌える鉄板ポーズ」とかをらくがきしながら試してみたりもしています。アナログもCGもここ数年技法が固まりきっていたので、違うことをするのがちょっと楽しい。
 昔の自分は練習嫌いだったのですが、そのへんは「なにもかも上手く描けてないというのが練習しながら分かってしまう」ことに理由があったかもなあ、と思います。昔に比べて自分の手先はちょっとだけ器用になり、その絵柄に足を付けた上でまだ足りない/まだやってない方向に枝葉を伸ばすことができるので、今やる練習は(まだ)苦ではありません。
 仕事を練習代わりにするわけにはいかないのでらくがきするしかないのですが、こういう自分の中の実験って、いずれ自然な形に消化されて、描く物ににじみ出てくることでしょう。

 週末にTRPGセッションを、GMとして遊んでくることになりました。リアルでGMやるのって十数年ぶり(!)だ。昔よりはマスタリング&ロールプレイのための度胸が付いてるだろう、と思うのですが、やっぱりどきどきしますね。
 ルールは「駅前魔法学園!!」(みずはらさんでお馴染みのJIVEから出てます)。当日のプレイの様子は録画されて、プレイヤーの一人である吉村麻之さんのところで後日公開される予定があるので、ゲームの雰囲気が気になる方はこちらを待つか、リプレイ星降る町のマギカ(すげー面白かった!)を読んでみたりするのもいいかと思います。

 絶体絶命英雄、episode5が隔週連載中です。原則無料のWEBマンガ、5話目とは言いつつここから読み始めても問題ない作りをしてます(今回は主人公が漫画を描くお話)。
 再生数やコメント、マイリストによる応援がダイレクトに今後の展開に響いていくので、面白かったらまた見てやってくださいね。

2/13 Mon


 先週土曜日にTRPG「駅前魔法学園!!」セッションを遊びました。自分がGM(ゲームマスター。物語の大筋を作ったり、ゲーム内の判定を管理するホストプレイヤー)です。
 実際手と口を動かしてやるGMは十数年ぶりで、えらい緊張はしたのですが、現役の頃……高校生時代……と比べると、桁違いに「ちゃんと喋れてる」ことを自覚できたように思います。昔は自分がシナリオに書いた「NPCの台詞」を(ほとんど棒読みで)朗読するのも恥ずかしかったからなあ。
 自分は子供の頃の方がむしろ、「技術のなさ」や「無意識な羞恥心」に思考や行動が縛られてしまうことが多くて、大人になってようやくまともに、楽しませる&楽しむことに全力を使えるようになった気がします。

 そんなセッションの模様が、場所を提供してくれた素晴らしい吉村麻之さん(感謝! プレイヤーの一人でもあります)の手によりニコニコ動画公開が始まっています。



 今日の時点で公開されているのはキャラメイクパート〜本編導入までですが、これだけでも「TRPG卓上の雰囲気」はわかりやすく再現されています。
 今後公開されるpart.5以降、本編のストーリーが展開されていきますので、気になる方はのんびりと追っかけていってくださると嬉しいです。総計七時間くらいの動画になるみたいなので、何かの作業のついでにのんびり聞いて見るのもいいかもですね。

 さてこの「駅前魔法学園!!」、自分が描いたマンガ「声優劇場パプリオーン!みずはらさん」と同じくJIVE社からルールブックが販売されています
 ルールブックの方は3800円、遊ぼうと決意しないとなかなか手を出しづらい値段なので(大判の関連書籍の中では"平均的"なこの値段設定が、最近TRPGは学生向けから離れてきたなあと自分が感じる一因でもある)、このゲームに興味を持った人は、まず文庫版リプレイ「星降る街のマギカ」を読んでみることをお勧めします。
 "ご近所防衛型マジカルTRPG"と呼んでみたいゲームの雰囲気が分かるのはもちろん、GMとプレイヤーが即興で編み上げていく物語が、自分はとても読んでて面白かったのです(続きが読みたいぞ)。


 コマで表現された街、それぞれの施設に伏せられた事件の手がかり、舞い飛ぶダイス数十個の必殺魔法……この「駅前魔法学園!!」、自分個人は今まで触れたことのないタイプのTRPGでした。面白かった(ひとえにプレイヤー諸氏の好演のおかげです)ので、またいずれ、同じ舞台で新しいお話を遊んでみたいと思います。


2/16 Thu

(I think this site needs more reason-less scribbles. like the "navy".)


2/18 Sat
鉄塔と猫
 後輩から結婚祝いに貰った魚眼レンズのトイカメラ(LOMO FISHEYE 2)、一緒に付いてきた36枚のフィルムをのんびり使い切ったので現像してみました。黄緑の薄膜が掛かったような色で、素敵な仕上がりです。フラッシュ搭載のカメラなのだけど、これはやっぱり、日中の屋外で撮影するべきものですね(室内でクッキーとか撮ったら、被写体以外が完全に闇に溶けこんでしまってた。今度は長時間露光を試したいな)。
 フィルムはまだまだ貰っているので(用意周到な後輩に感謝)、今度は実家のロンド氏を撮りまくったりしてみよう。帰郷にうってつけの暖かい季節は、そんなに遠くないのだ。


2/25 Sat
原宿猫
 酷い鼻炎に連鎖するように風邪を引いてしまって、三日ほどコタツの住人と化していました。びっくりするほど普段とライフスタイルの変化がありません。
 奥様のおかげもあってどうにか体調を復帰させたので、ぼちぼちっと平常営業を始めたいと思います。

・今週は映画「逆転裁判」を観てました。率直に言うと、すげー面白かった!
 以下、ゲーム「逆転裁判」ファンとしての感想文です(ネタバレは微少)。

 原作1をプレイしていないと、話の流れと仕込まれた小ネタの全てを把握しきるのは難しいかもです(原作者の巧舟さんがあの素晴らしいタイミングにいた気がするんだけど、気のせいじゃないよね)。凄い密度だったー。
 全体的に漂うスチームパンク的な煤けた雰囲気が異様に格好良く(スチームパンクって原作には微塵も無かった要素なのに、何故かマッチしてた)、自分は画面の質感に圧倒されて、作品世界のありとあらゆる違和感(良い意味で)が莫大な情報量の塊になっているのを、ずっと「おお」と言いながら観てたように思います。成歩堂が最初に立つ法廷の雰囲気とか、あざとすぎて最高です。
 そう、画面が格好いいのに、事件の舞台はちゃんと「ひょうたん湖」なんだよな(笑)。
「イトノコ刑事ちっちゃくね?」「真宵ちゃんもっとアホの子じゃね?」と言いたくなりそうなささやかな違和感は、自分はどうしてかあまり気にならなくなっていました。真宵ちゃんも「逆転姉妹」直後の雰囲気なら、こんな描かれ方をしても不思議ではないよな、きっと。ひょうたん湖の調査では、ちゃんとトノサマンをきらきらした目で見てたし……。イトノコ刑事に至っては純粋に格好良く見えてきたのが逆に面白かったくらい(笑)。ナルホド君や御剣や矢張やサイバンチョはなんというかもう「まんま」だったので文句の言いようがありません(ナツミさんの再現度は究極だと思った)。
 そして鳥ですよ!
 鳥が!! もう! うわー!
 物語も誠実に原作の流れを追おうとしているのがひしひしと分かって、原作ファンの自分はとても安心して観ることができました。(時間的に圧縮&組み替えざるを得ないところがあったとは思う。本当言うとテレビドラマのテンポでじっくり観たかった)あなたがゲーム「逆転裁判」好きな方なら、自分は責任を持ってお勧めします。
 雰囲気をあえて「怖く」していた部分もあるので、そこは軽く覚悟しておくといいかもしれないけど……
 とにかく、一回観とくべき。
 この調子で続編が出たりしたら、自分は必ず見に行きたいと思います。この調子で再現されたムチとか観たい。

pixiv投稿強化週間中。こちらの作品群は後日まとめて当サイトのgalleryに、詳しいキャプションを付けて掲載してみます。「掲載」そのものの機能だけで見ると、現状pixivは一番簡易に済むのだよな−。投稿労力の軽さは、時に一番目に考えられるくらい大事な要素です(だからこそブログは定着したのだと思う)。

3/1 Thu

 ロンド(実家の愛犬)の刺繍を入れたハンカチを奥さんから不意に貰って大層喜びました。アイコン状の下絵を描いたのは確かに自分なのだけど、実際糸でラインが描かれて差し色が入ってみると、現物は下描きの数百倍可愛いですね。大事に使おう(ハンカチくらい携帯しろ、と、しょっちゅう怒られるのだ)。

 この日は遅ればせながら「さぼる日」として(二月二十九日はサボろうとほぼ日が提唱していたのだ)、神保町へぶらぶらしに行きました。
 すなわちこの日は古書街で役に立つかどうか分からない本とか買ったり、
 文房堂で格好いいと思った画材とか買ったり、
 Toolsで新製品のマルチライナーを新製品だからって理由だけで買ったり、
 雑誌に載ったりなんかしているちょっと小洒落たカフェに入ったりしてみる日です。

 文房堂(でかい画材屋)近くにあるカフェSTYLE'S CAKES&co.へ。どうしてこうしたのかってくらい覚えにくいし打ちにくい店名! 店内はわずか三卓しかない超コンンパクトなお店で、落ち着いた照明と色気も何もないペンキ塗りの壁、どこを見ても独特な空気。しかし妙に落ち着くのは、狭いからかな。似たお店を知らない。

 プレーンキッシュが滅茶苦茶美味しかった。自分の人生の中でも最上位に入るくらい。これはまた食べたい。

 買ってきた物。古い文庫版の植物図鑑や、最近背景画の教本で知った「削用筆」という筆。「カラー&ライト」はpixivの広告で見掛けて気になっていた本で、本屋で実際めくれて購入できたのはラッキーでした。まだ一巡軽くめくった程度だけど、作例も解説文もかなり面白そう。そもそも油彩による筆者の作例が超絶リアルで見てるだけで凄い。光表現が自律で描けるものだって感覚は、CGに長く触れてると忘れてしまいそうで、この本で改めて勉強したいな、と思います。


3/2 Fri


 ハーフシャドウの練習(「カラー&ライト」より)


3/7 Wed [Gallery:others24]



 絶体絶命英雄 episode5-4更新しております。更新後しばらくしてから奥さんが指摘したのですが、「本来のヒロイン以外の名前はみんなコメントしてくれてる」(笑)。ニコニコ漫画は再生されている様子を見て、付いているコメントを見て、初めて「描いた実感」を得られる媒体です。途中から読み始めてもそこそこ面白くなるように心掛けて描いてるので、良かったら見てやってくださいね。
 それにしても今回の日記画像がたまたま「666.jpg」でちょっと面白かった。2005年からリニューアルして始まったこのサイト日記画像、ファイル名がカンストするまであとしばらくかかりそうです。そうなったらまたリニューアルのこととか、考えても良いかもな。
 そう、この形態のサイトになってから、もう七年も……(しみじみ)。
 若干しみじみしてきたので、今唐突にタグをいじって行間を140%→160%に設定し直してみました。思い返すと、昔は「ぎ、行間130%にしてみるぞ……うぉぉ、MS-DOS的な世界からは考えられぬ風通し! 超広大な余白が! 不安だ!」…なんて事を考えていたりしたはずなのに、140%がいつの間にかせまっくるしく感じていた自分の目です。なんたる隔世の念ですよ(歳を取りましたね)。

 たまに気温が春っぽくなってきましたね。街を歩けば震災対策グッズがまた並び始めていて、うちでは額(ガラス入りで重い)の落下を防止するストッパ付き吊り金具を買ったりしてました。震災って、こんな季節だったっけかなあ……と思う。

 Gallery更新してます。先日pixivに連日投稿していた過去のお仕事イラストを、遅れたタイミングでサイトに掲載し始めています。時間を置くと語れることも増えたり、オマケにラフを併載していたりするので、pixivで見たよって方も、気か向いたらこちらもぶらっと見てもらえると幸い。
 そうそう、2012年からGallery掲載作はピクセル数を多めに取って、大判の画像としてアップロードしています。
 自分は一つの結論に至ったのです。
 すなわち「PCで見る画像は、でっかいに越したことはない!」
 世間の液晶もそろそろ、1024*768の次のステージに来てる……よね?


3/8 Thu


 "それぞれの色付きの光源によって落ちる影は、もう一つの光源の色になる"(「カラー&ライト」より)


3/9 Fri

 暖かくなったと思ったら冷たい雨だし、だいたい次の季節ってのは待ってる間はとても長く感じるものだ。
 仕事にまつわるお知らせ&履歴をちょこちょこっと更新。最新情報を見せなきゃ、個人サイトの意味はあんまりないってことを、サイトを見る側の人間として自分は感じていたはずだ。
 Twitterにはお仕事についてのお知らせをリアルタイムに書いてたりはするんだけど、その情報をこのサイトに反映するのが遅れがちなのって、つまり、発信コストの差なんだろうなあ(油断して溜め込んでしまうと、更新するのが大変な手間になるし……)。
 時間に流れ去ってしまわないものを載っけるには、個人サイト運営に勝る媒体って、ないのだけどね。ペンネームやハンドルネーム、サイト名、メールアドレス、TwitterIDを決して変えないっていうのは、時間に対抗できるものを作る強力な手段の一つだと思う。
 自分の場合は筆名が本名なので、このサイトは(年額一万円ちょっとのサーバーレンタル料を支払ってさえいれば)20年経っても相変わらず検索することができそうです。


3/11 Sun

 目を細めて金髪の武装女中を見ていると(つくづく剣が似合わない風貌だ)、彼女は振り返り顔を近づけて(その目が変に逸れたと思ったら、こちらの頭頂に一対生えている猫耳に口を持っていっていた)、
「働き口の気配って、髪一本分でも逃しちゃいけないんですよっ。全部つかまなきゃ飢え死にです。あと温泉。温泉入りたい」
 とささやいた。
「よろしくて、ノノちゃん? わたしの言う通りになさいね、いい子だから」
 と、わざとらしい大声で付け加えた。
「……………………」
 なにも言い返せずにいる間、マコはたちどころに老人と仕事の約束を取り付けてしまった。
 ノノモリは呆れと感心とを程良く配合した気分で、雨の音しかしない屋内を改めて見渡した(老人が布巾を渡してくれたので、それで濡れた髪を拭いつつ)。
 建物の外見と同様に、整えられた木組の内装だ。
 エントランスホールは天井が低く、壁が交差する床面にはテラコッタの植木鉢が置かれ、広くない空間をより歩き回りにくい雰囲気にしている。
 木と煉瓦が交互に並んだ壁面には細々とした間隔でランプが置かれ、嵐の気配を読んだように、その八割が黄色く灯っていた。見たところ周囲に煤の跡はなく、もしかしたらガス式の照明かもしれない。
(都市部でしか見られない新式だ)
 ノノモリは我ながら変なことを知っているな、と思う。四十年も寝ていたはずなのに……。
 右手にはエントランスより広い吹き抜けの空間が広がっていて、低い円卓と背もたれのない椅子(ベンチかもしれない)が中央に設けられている。壁際には小柄なカップボードがあり、皿付きの緑色のカップが並んでいた。あそこはおそらく宿泊客が談話するスペースなのだろう。
 ただ、ここから見る限り客の姿はない。
 カップボードの隣には、暖炉ではなく小さい焼き窯のような形をした鉄製の薪ストーブが一つ。夏は近いが、ごく弱く火が入っている。最初に感じた暖気はこれだったようだ。服を干させてもらおう、と思う。
 壁を半周する配置で昇り階段が作られていて、行き先はここからだと見ることができない。客室が二階にある、と推測する。寝床は二階、朝食は一階、というのが慣例だ。理由まではノノモリは知らない。
 吹き抜けの一室、天井近くの壁に丸く開いた窓には雨戸はなく、硝子越しにごくごく弱く太陽の光を覗かせていた。

(シュレディンガ・フォークス 「雨の境界」)


 ファンタジーの文体について奥さんと話し込んでたりもしてた。
 以下メモ:

・ファンタジー異世界を厳密に書こうとすると、文章からはどんどん横文字が消えて古めかしい日本語(大昔の翻訳小説)に近づいていく、という感覚が自分にはある。……「テラコッタ」(イタリア語)と英語を交ぜ書きしている時点で自分の異世界ファンタジーはだいぶんゆるいな、と、この文章を思い出して考えた。グレイルファンタジーってネタがとにかく多国籍で素敵なので、それはそれでと思うんだけど。自分は古めかしい地の文と現代的な台詞が混ざってるバランスが好きで、そういうのを狙ってる。もっと上手いこと狙いたいな。
・陳腐な一文で書き表せる所作(たとえば「妖艶に微笑んだ」)を、どれだけ「絵が浮かぶよう」に書くか。できれば多様に。
・結局は書き手が好きな基準で書くしかないよね(こだわりが読み手にとって"無用の"障害になるのは良くない)、というコメントに納得する。

 挿絵を描く人間は常に文章と近しくあったほうがより良い仕事ができる、というのが自分の経験則です。
 ……そんなわけで、2012年の年末に「シュレディンガ・フォークス」の続刊を出す計画だけは立ててるのです。


3/12 Mon

 日曜日は猫らしきものを撫でたり
 ちらし寿司を食べたり
 馴染みの犬を撫でたり、大層平和に過ぎていきました。気は抜くまいし、抜きようもない。だけどこの平和を心掛けなきゃな、と思う。


3/16 Fri

 久々にカレーを作りました。毎回辛い麻婆カレー(レシピ「喝采! 家カレー」より)。今回もどうにか、破綻せずにできて良かった。独身の時に作ったカレーと比べると、掛かる責任がはんぱなくでかい。
 吉祥寺へ。布見本をめくって奥さんの椅子をオーダーメイドしてきたりゴーノバーガーでバーガーを食べたり。馴染みのバーガーに比べて「ぜいたく」って値段がするのですが、それに見合うご馳走でした。サラダバー&ドリンクバーも付いてくる居心地の良い店で、仕事がはかどりそう。また来ようと思います。
 ケーキあり。寒い日だったなあ……。温かいコーヒーを一日で何杯も口にしてました。

 JR吉祥寺駅の前にはハモニカ横町というカオスなアーケード街があり、路地は狭くて空は見えなくて両脇に建ち並ぶ怪しく狭い店の数々……。まったく現代日本からは切り離された雰囲気です。真昼は薄暗いし夜中は照明が怪しい色。
 個人的には、ここが吉祥寺一番の名所です。お立ち寄りの際は「ガネーシャ」というカレー屋を探して、そこでカレーを食べると一生忘れることはないでしょう。


3/18 Sun

 吉祥寺で見掛けた猫らしきもの。悪意を感じるキャラデザインというか、お前これわざとだろ、と言いたくなる造形というか(笑)。
 それはそうともうすぐ四月で、なにをしようかほんのり考え始める時期です。今年は何かあっさりしたものをしたいね。

 新しいモンコレのブースターパックヴァローカの精霊祭で描いた「放浪王ガブリ」、頂いたサンプルでは緑の箔が押されているみたいです(キラキラPPと合わせて、「レアリティ極稀」限定の特殊仕様みたい)。なんだか感慨深い。
 このカードイラストのメイキング(序盤だけ)を、以前中継したことがありました。こちらにアーカイブが残ってますので、アナログイラストの制作風景に興味がある方は、ちらっと流し見してみるのも面白いかもしれないです。完成したカードの全体図はこちらのカードリストで見られますよ。

3/24 Sat

・お知らせ
 そろそろ頃合いかなー、と思ったので、THE INTERVIEWSの自分のページを三月いっぱいで閉鎖することにしました。
(回答内容はアーカイブとして自分のサイト上に転載します)
 聞き残しがありましたら、試しにインタビューしてみてもらえれば幸い。




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[ 2012/4 ]