2012/7〜

7/5 Thu


 ついに周辺も30度を越えてきたりです。暑くなってきたな−。

「今流行っている、細い線を使ったアニメ塗りのイラストも描けたほうがいい」というアドバイスを受け、どんなもんだろうと手を出してみたら、想像以上にプロセスが別物の画法でした。上手く方法が身についたら、これはこれで違う絵が描けるのだろうな、と思います。
 にしてもぎこちないなー。とても仕事で描けない。なんであれ、できないよりはできるようになって、それでも馴染まなければその上で「やらない」という選択をするのが正しいと思います。練習してみよう。

 
7/6 Fri



 
7/9 Mon



 奥さんのご実家に子犬がやってきたそうなので見に行きました。ふわふわの毛玉が絶え間なく動いている。かわいい。


 しかも二匹。兄弟です。仲良し。


 先輩とのサイズ比較。小さい。実家のロンドに子供がいたらこれくらい小さかったんだろうな、と思ったりしてしみじみ。しかしこのくらいの子って、少し目を離しただけで一回りでかくなるんでしょうね。ちょくちょく顔を見に行って、顔を覚えてもらおうと思います。


 それはそうと、実家からすばらしい鯛が届いて刺身にしたり焼いて食べたり。煮ても焼いても生でも美味い!


 プランターにバジルの種を蒔いたら繁茂しすぎた。ここから心の鬼を呼び覚まし、間引きを行わなければ南欧の風など感じようもありません。

 
7/10 Tue



シュレディンガ・フォークス 「観測の始まり」抜粋


 モリサワパスポート更新に失敗して(昨年PCが壊れた際、正規手続きを踏まずにサブPCにモリサワパスポートをインストールしたのが原因だった)フォントを再インストールする羽目に。その機会にいくつかフォントをPC内に追加してみたのですが、この「A1明朝」は長いこと見逃していたフォントでした(とあるサイトでおすすめされている記事を見て初めて意識に上った)。
 線の交点が潰れた感じになっていて、他のフォントには無い味があります。ディスプレイサイズに縮小したままだとほとんど違いが分からないのだけど、印刷物にすると真価を発揮してくれそうな予感がします。使ってみよう!

 明日更新の絶体絶命英雄、よろしくです。過去最大のフレーム数とテキスト数になりました。挿絵付きの推理風味コメディノベルとして読んであげてください。

 
7/16 Mon




 我が家では気の利いたカフェでも建立できそうな勢いでハンバーガーや、



 夏野菜カレーが繰り出されるので、おそらく夏バテはせずにすみそうです。



 今年の夏コミは辺境紳士社交場としての制作物はないのですが、夏コミのタイミングでリリースされるHUMMING LIFEの新アルバムに絵を描いております。くわしくはまたのちほど。

 五月末に録った「ライトノベルの表紙」にまつわるラジオ、音声編集がのんびり半ばを越えました。2〜3時間のボリュームになりそうです。月内には公開できるかな?
7/24 Tue


 ある日届いた茶色い厚紙の封筒の封を切ると、見覚えのある書き文字と、燦然と輝くカバーの文庫本が。タイトルは「BIG−4(3巻)」。
 大楽絢太さんBIG−4の最新刊を送ってくれたのだ! やったー!





 そんなわけで描きました、四天王の一人雷のアーディンブルグさん(良い子)。
 火力は半端無いけど目付きはイッコより良い、と自分は確信してます。

 このシリーズは大楽さん最強武器の一つ「これっぽっちも気取らない、ファミレスで二時間喋った後から始まるような会話劇」の系統(自分は大楽さん作品のそういうところが何より凄いと思っています)にある物語で、読んで笑える素晴らしいコメディです。
 ワダアルコさんの可愛さの頂点を極めた挿絵にブーストされた女の子キャラたちもことごとく素晴らしいんだけど、何より個人的に一番良いなと思ったのが「男同士のしょうもなく、理由もなく強い友情」エピソードだったというのが、なんというか、大楽さんらしいよな、と感じたライトノベルです。

 そう、たぶんこれは、萌えるライトノベルではない。
 今の時代にあえて書かれた、コメディです。「七人の武器屋」を読んだ人も読んでない人も、おすすめ。面白いよ。

 実を言うと、挿絵については「せっかくの魔界なんだからもっと背景を見せてほしいなー、このおかしな世界がどうなってるか絵で見て想像したいなあ」と思ったりもしたのですが、それでもやっぱり、ほんとにキャラクターが可愛くて巧くて、同業者としてはぐぎぎと唸ったり転がったりですよ。
 ザ・羨ましい!
 自分もがんばるぞー。
7/26 Thu



 蒸し暑くなって暑くて死にそうですが、近所の猫親子は元気なものです。陽が出ている間は大体車の下で延びていて何もしてません。暑さで延びてるのは生き物の自然な姿だな、と思う。


 先日は船橋でお祭りがあり、個展で大変お世話になったゴールデンバーガーの祭り限定メニューを食べに行っていました。祭りバーガーはもちろん、祭りポテトが滅茶苦茶美味かったのだ。


 花火なんかも打ち上がったり、街中が学生で賑わってたり、気がついたらあっという間に世の中夏休みに突入してしまいました。

 奥さんが近頃ウェブサイトのリニューアルを考えているらしく、あちこちの技術書を探しているようで、端から見ててもその様子がとても刺激的です。つまり、自分のhtml知識は10年前から止まっていることに気付かされたということです。
 いまどきIE6も1024*768pixelもないだろうし、作り手として意識はつねに更新してかないといけないなあ、と思いますね。この辺の意識の速度は年々鈍くなっていくのを感じるので、気を付けないと……。
 そう、今は夏休み、すなわち自由研究の季節だ。
 自由研究、つまり勉強テーマを決めて知識と経験を深めていくことの面白さは、大人になってからようやっと理解できたように思います。直接役に立つわけではないけれど、後からじわじわ効いてくる勉強というのが世の中あるのだってことが、経験でわかってきたからかもしれません。できれば子供の頃にこの感覚を知っておきたかったな。


 今年の夏コミは不参加なのだけど、その4週後のコミティア101に辺境紳士社交場、出展いたします。新刊はありませんが(今回のテーマは「辺境紳士社交場・楽しい夏のメガバーゲンフェスティバル」とします)、なにかしら目新しい物も持っていきたいと目論んでいるところ。詳細固まったらサイトで告知いたしますー。
7/27 Fri



 絶体絶命英雄ep7-4のおまけ壁紙の作画模様をUstream配信していました。作業配信は何のためにあるかというと、なにより作業をさぼらずにすむという絶大な効果があるのです。
 流行りのやり方ではありませんが、Photoshop一本で線画から着彩まで行う流れを見ることができます。二時間近くを無編集収録してるので、飛ばし飛ばしで見てやって頂けると幸い。

7/29 Sun


ポストカードのための小さいカット・メイキング


 9/2のコミティア(創作同人誌即売会)ではポストカードを作って持って行こう! と思いついたので、ポストカードに載っけるための絵を描き始めております(遅いのか早いのか)。業者印刷だと、夏のフェアとかで「片面フルカラーと両面フルカラーが同じ値段」って言ってるし、それならやっぱり両面にしたいな……とかね。
「ポストカード」と言っときながら、郵便ハガキとして使うのは困難なグッズになりそうです(少量だけ通販も予定しているので、コミティアに来られる予定のない方はそちらを待っていてあげてください)。

 ポストカードを自分は「ハガキ大のイラストカード」という認識で買ったり飾ったりしてるのですが、みんなもそう思ってるんだろうか?

 日向そらさんのHUMMING LIFEがサイトリニューアル! いいサイトだなぁ(ちなみに、このリニューアルを手掛けた高町ぐずりさんとはラジオ辺境電波社交場vol.8でご一緒したことがあります)。
 空調の効いた涼しい部屋でまったりお茶を飲みながら、「作品紹介」で楽曲を試聴してみるのもよし。
 窓を開けて扇風機と外の風に当たりながら、ジャケットイラストを覗いてみるのもまたよし。
 そして夏コミのタイミングでリリースされるあたらしいアルバム「Private Films」の情報を見るもよし……この作品については日を改めて、うちのサイトでも大きく告知したいと思います。
 久しぶりのアルバム、今回はかなり深いところまで関わらせていただきました。
7/29 Sun


なお個人的には「可愛く描けりゃどっちでも良いじゃんフィクションなんだから」派。まずそういう立場の上で、そいつを可愛く描くのがちょっと不得手なだけなのだ
不得手は将来のブレークスルーでもある。こういうのは避けてないでたまに描くと面白かったりするね

8/2 Sun




 今夏のコミックマーケットで頒布されるHUMMING LIFEの新しいアルバムCD「Private Films」にイラストを描かせて頂きました。HUMMING LIFE上で公式に描くイラストとしては、初のアナログイラストです。
 過去シングル曲を始めとして、入魂でありながらもさらりと風通しの良い新曲もたくさん詰まったおもちゃ箱のようなCDです。自分の他にも神無宇宙さんも水彩のかわいいイラストを描いていたりして、とても賑やか。いい感じですよー。


▼ 公式情報ページ ▼



ひととおり試聴もできるよ!



 前作アルバム「風に吹かれて」も良いCDだったのですが、今回はさらに深く内容に関われた(ブックレット内部や、手拍子やバックコーラスまで)非常に手に取るのが楽しみな一枚になりました。
 頒布イベントや通販情報は上の公式情報ページで確認できます。
 イベントでの頒布価格は1500円(通販では2100円)、実はかなり、フルアルバムとしては手に取りやすい値段設定です。
 9/2コミティアでは、少数ではありますが、自分が出展する「辺境紳士社交場」でも扱います。タイミングが合ったら、そちらにも買いに来てみてくださいね。


8/3 Fri




 パンツの日だったそうなので……。
8/6 Mon



 2011/2/19にらくがきしたことが縁となり、このたびすごく久しぶりに、二次創作の同人誌にイラストを寄稿させて頂きました。
 唯一無二のゲーム機アイドル四コマ漫画「P.S.すりーさん」が大好きな人達がよってたかって作り上げたアンソロジー本が今週末のコミケで頒布されます!



すりーさん時代を宣言します!に
8/10(金)東ア-38a「おまえの母ちゃんデスアダー」


 自分は見開きで大集合イラスト&個人的なコラムを描かせていただきました。手に取る機会がありましたら、是非めくってみてください。原作もとにかく愛にあふれて楽しい本ですが、この同人誌もきっと、それに似た愛情がいろんな方向に詰まっているはず。よろしくです。

 それはそうと、すりーさん4巻、黒地に金の箔押しなのだよね。メガドライバーは手に取ると謎の衝動により必ず泣く装丁です。いいね。
★ 辺境紳士社交場は出展してないけど、夏コミ新作情報 ★


8/10(金)
東ア-38a おまえの母ちゃんデスアダー
すりーさん時代を宣言します!に

(\600)にぎやかなモノクロイラスト+コラムを寄稿しました



8/11(土)
西け-19b HUMMING LIFE
Private Films

(\1500)CDアルバムのジャケットイラスト&ブックレット装丁デザイン



(ひととおり試聴もできるよ!)


「Private Films」はweb通販の他、9/2開催のコミティアに出展する今野隼史のサークル「辺境紳士社交場」にも委託で並びますので、タイミングが合わないという方はそちらもぜひチェックしてみてくださいね(ほんとにいいCDになったよ)。
 コミケ初参加って方は、最近見つけたこのまとめ記事が簡潔で良くまとまっていたので、こちらに目を通して不安を取り除いておくのが吉かも知れません。お祭りっていうのは、万全な体勢を整えるのも楽しみの内だと自分は思うのです。
 自分も一般のお客さんとして、土曜日にビックサイトへ向かいます。お互い気を付けて楽しんでこようぜ。

8/15 Wed



07
波の形を意識して、水面へさらに空色の反射を描き加えました。形のエッジ部分を中心に、ひときわ明るい光点もぽつぽつ入れていきます。
このあたりの行程で「反射」という言葉が頻出していますね。磨かれた金属やガラス、平滑な絹地、水面などは、その面の垂直に位置しているものの色を強く映します。もっとも多いケースはおそらく「空」または「照明」でしょう。これを意識して色を置くことが、"水っぽさ"を決定づけます。
実は昼間の空色の反射って、物体の色が重なったりするので、想像よりも灰色がかってたりするんですよ。水面に灰色を混ぜるのは、経験的に会得したコツです。

――『水位標識の描けるまで』下塗り編

8/14 Tue


8/13 Mon Comicmarket 82(8/11)

 サークルとしてはコミックマーケット不参加の自分ではありますが、二日目は一般として会場まで足を運びました。テーブルの向こう側の立場でコミケに来たのは随分久しぶりです。
 14時半。いつも自分がいる少年創作ジャンルではまったりムードが漂う時間帯なのですが、この日ホールの外はこんな人混み。この光景を久しく忘れてたけど、凄い人数だなぁ。
 西ホールにある目的地「HUMMING LIFE」に到着(写真の人物は日向そらさんではなく、旧知のペペドン君です)。今回の新譜のジャケットイラストをA1サイズのポスターにして、旗印のようにディスプレイしてもらってます。嬉しい。そうとうでかいな!
 そんなわけで日向さんとお疲れさまの挨拶をしつつ、『Private Films』現物と対面! ずっとイラストやデータと格闘していたのでパッケージの仕上がりは頭の中にあったのですが、想像と現物って、言葉にできない決定的な違いがあります。
 燦然と輝くこの「新作」オーラを浴びるために、僕達はものを作り、イベントに出ると言っても過言ではないのだ。ちょっと過言かもしれない。
 じつは、この回のコミケに巻き起こった大規模な搬入トラブルにより、この魂の力作が詰まった段ボール箱も、朝方一瞬サークルの狭間をさまよっちゃってたらしい……。すんでのところで発見されたそうで、ほんとに良かった。
 HUMMING LIFEがある"音楽エリア"にはDiverse SystemNinja Action Tourismがあったので、ファンの自分はもちろん超速で巡回。気になってた作品をゲットすることができました(JAPANTOURは同じ忍者のよしみで貰ってしまった。大嶋さんオルダさんのお二方に超多謝!)。

 音楽ジャンルで同人CDを買うということについて……。
 このジャンルはほとんどのサークルで「立ち読み」のかわりに「試聴」ができるのだけど、そのハードルは高いです(特に初めて会うサークルの場合は)。実際は事前にネットで試聴してから、目的のCDを買いに行くというケースが多いのだと思います。
 この「初めて見るとこへの近寄りづらさ」をどうにかしてゼロにできないか、たくさんの人に曲を聴いて貰うにはどうするか……というのも「同人音楽サークル」の戦いであり、楽しみであると自分は想像します。

 そして、本でもCDでも、外装を飾る絵を描くことしかできない自分の役目は「道行く人の興味を5秒間引く」ことです。自分は「ジャケ買い」にはロマンがあると信じる方です。どうか今回、成功してくれていますように。
 作画の前後に、データの形で数え切れないほど聴き込んだ自分が保証します。このCDには名曲がたくさん詰まっていますよ。

 コミケが終わった後は、奥さんの実家でモフモフした子犬に噛まれてきました。ちょっと目を離した隙に、ふわふわした毛玉みたいな生き物がちゃんとした犬っぽくなっている。でもまだふわふわした毛玉じみてる。
 帰宅してコミケで買ったCDを聴く。今回のコミケも楽しかったな。
 自分の「Private Films」にまつわる仕事は実際にCDを回して曲を聴くことで綺麗に終わり、それと同時に、次の制作が始まる。
 もちろん、ものが全てじゃない。
 けれど、僕達は新しいものを作るために、次のイベントの参加申し込みをするのだ。


 そんなわけで冬コミのオンライン申し込みは8/20決済〆切、8/24サークルカット〆切です。おわすれなく!

8/21 Tue



17
髪に、ほとんど白に近いベージュのハイライトを乗せました。現実的な表現ではありませんが、古来髪のハイライトは記号的描写の最たるもので、定型・流行に囚われずに描写で遊んでもいい部分だよなあ、と自分は考えます。
上まぶた、瞳の外周に一段階暗い青色が入り、キャラクターの表情が焦点を結んできたように思います。髪飾りも(つやつやしたガラス質のコーティングを意識しつつ)色が入り、顔周りはほぼこれで確定です。

――『水位標識の描けるまで』下塗り編

8/22 Wed



 年末のコミケ申し込みしていました。夏をスルーした分、準備万端で望まねば……と思ってたのですが、やっぱりというかなんというか、準備に割ける時間は前回と同じくらいになりそうです。

 なぜかというと、実は、この夏に一冊同人誌を作っていたからです。
 昨日は無事入稿も終わったので、どうにかこうにか一安心……。
 予告も告知もまったくしてませんでしたが、この本、新刊として9/2のコミティアに並びます。詳しくは近日に。
8/24 Fri



 コミティアの机ディスプレイについて構想メモ。毎度感じるのですが、コミティアの机はコミケの物よりちょっと面積が狭い気がする……。いつもより陳列物の点数が多くなるため、今回は恐らく立体的なディスプレイを試みなければなりません。
 そう、それはつまり、ダイソーで買ってきた折りたたみ棚の力を100%引き出さねば、ならないということなのだ。

 ほぼ日手帳を使い始めて長いのですが、季節のイベントに絡むメモ書き・アイディアスケッチなどに広い紙面が真価を発揮してくれるように思います。漫画や同人誌のネタ帳とするにはページが足りなかったりするのだけど、日々のちょっとした端書きをするにはとっても広大。持ち歩きを考えるとこの手帳は丁度良いバランスを持っています。

 使い込むほどに格好良くなる皮カバーがちょっと欲しかったりするのだけど、自分はカバー・オン・カバーでこういう類のイラストを描いてはさんでるのに馴染んでるからなぁ……。
 同じ絵描きさんで、直筆イラストをカバー・オン・カバーに入れてる人はいるかな?
 外の世界に見せられる仕事をしてるか、と絶えず自分にちょっぴり問い掛け続けられるような気がするので、悪くないものですよ。
9/2 Sun comitia101


 コミティア101参加してきました。毎回イベントの準備には、ばたばた忙殺されてしまうなあ……今回は特に既刊本とか作りすぎたチラシとかたくさん持っていって綺麗に売り切ってしまおうという「バーゲン」がテーマだったこともあり、陳列点数がえらいことになってしまったのです。
 さらには新刊もポストカードも何食わぬ顔でどっかり鎮座してたりして、今回、いつも以上にサークルスペースの印象が雑然としていますねー。綺麗じゃないな、いかんなー。
 FAPRシリーズがついに完全売り切れとなったし、みそらDOもシンメトリカルもじわじわと少なくなってきた。次回はもうちょい、すっきりやれるかな?


 日向さんの「Private Films」を委託で置かせていただくという重大な責任もあったので、ここの陳列はちょっと緊張。
 同人誌サークルである辺境紳士社交場、試聴環境は用意できなかったのですが、ジャケ買いしてくださった一見さんも少しだけいらっしゃって、嬉しかったなー。


 幸いお誕生日席だったこともあり、原画は垂直にして側面に飾る事にしました。大通りを行く人々の目に止まったみたいで、結構な数の人達が足を止めて見ていってくれたみたいです。「出力ですか?」という質問に「原画です。アクリルガッシュの」と答えて胸を張ったりなんかもして……。この日、隣で売り子を手伝ってくれていた奥さんの観察と考察によれば、「原画展示しているサークルは少ないし、それを額を使ってディスプレイしているところはさらに少ない。きれいに飾ればかなり目を引くと思うよ」ということで、自分はなるほどなぁと感銘受けたりです。
 かようにイベントのディスプレイについて会話が盛り上がる夫婦なのです。いいでしょう!(脈絡のない自慢話)「布地はアイロンが効いていないと逆効果」「四角じゃないPOPがあると地味に印象的」「高さのあるポスターの情報伝達力はやはりあなどれない」「値段表は見本誌と独立して、目に付きやすいところに置いといた方が良い」など、そういうのを話せるラジオが企画できるといいなあ、とか、その辺はまたあとで。


 やはり夏コミと比べると一回り暑さの和らぐ夏のコミティアですね。特にこの日は屋外も涼しくて楽でした(館内はさすがに蒸したけど、死ぬほどではなかった)。

 新刊(事前告知が不十分だったにもかかわらず)も既刊もほどよく人手に渡ってくれて、今回は予想してた以上に良いイベントになってくれました。遊びに来てくれた皆さん、挨拶できた皆さん、どうもありがとうございます。

 今回作った新刊メイキング本「水位標識の描けるまで」とポストカードのセットは近日ショップ委託販売&通販が予定されていますので、気になってる方はまたここをチェックしてあげてください。イラストメイキング本と銘打ちながら、けっこう絵描きでない方にも読み物として楽しめるように作っておりますよ。

9/7 Fri


9/11 Tue

 日陰はずいぶん風が涼しさを運んでくれるけど、日向に出るとまだ湿度と熱を感じさせる、絵に描いたような残暑です。なんとなく休日を置かずに仕事をしていると、秋口や年末に予約したイベントと、その準備だけで2012年が終わってしまうことが九月にしてすでに予見されている気分。
 いかんね。
 もっとしょうもないらくがきをサイトに載っけていかねば……。
 そんなわけで、今日描いたらくがき。
 twitter診断で「ルパン三世の絵柄で伊勢崎多奈を描きましょう」と言われたもので、つい……。
 ルパン格好いいよね、というよりももう、お洒落だよね。好きです。
 こんなひどいタイミングですが、「雲のない雨空の下で」は今年の夏から無料公開が始まっています。挿絵も全収録されておりますのでぜひぜひ。今回の無料公開にあたって石川五右衛門似の挿絵は描き下ろされたりしませんので、ご安心ください。
9/13 Thu


 11/18コミティア申し込みのために一枚モノクロイラストを描いてたりしました(紙とペンインクで描くのは久々です)。
 「少年まんが」ジャンルで申し込むつもりで、そんなわけでカットのお題は手持ちの既刊「みそら Dual orbiters」。
 みそらシリーズの新刊を作るというわけではないのだけど、べつに過去既刊をサークルカットに持って来ちゃいけないという決まりはないからね。
 
 先日のコミティアで、噂に聞いてたタブレットのステンレス芯を見掛けて買ってみました。
 経験上タブレット芯がすり減って困った経験は年に一回二回程度のことなのだけど(intuosにはもともとスペア芯がたくさんくっついてきてる)……使い心地に変化が無くて半永久的に摩耗しないってんだったら、こういうのを買うのも一興かな、と思ったもので。
 wacom純正の芯ではない(この芯を使ってタブレットに傷が付いた場合、メーカー保証外&自己責任となります)けれど、工作精度はとても良く、先端部分はぴかぴかに磨かれていて、自分が使った感触では、描き心地が変わったようにはまったく感じませんでした。
 良くも悪くも、そのままって描き味。
 筆圧強めに描いても、シートに特別目立つ傷が付くということも無いみたいです。
 これはなかなか、500円で良い買い物したかも。
9/15 Sat [radio #09]

 五月に収録した、「ライトノベルの表紙」についての大雑談ラジオ第9回「ラノベの表紙ってどうなんだい?」公開しました。ラノベ表紙を描いた経験もある現役イラストレーターである自分と、趣味の絵描きにしてライトノベルを読んで育った奥さんとの二人で、現代ラノベの顔でもある"表紙"について、絵のことデザインのこと、あれこれ言いたいことを率直に詰め込みました。2012年時点のラノベトークとして、含蓄深いことが含まれてるかも……ないかも……。周りから頂いたお便りもたくさん紹介しております(感謝)。
 
 今日は久しぶりにビリヤード打ってました。打つたびに数年のブランクが開いているので、自分はいつでもビギナーズラックに頼ることができます。友達の一打に「巧い!」「外れろ!」と声を掛けたり、のんびりキューを握りながら、ときおり真剣になって、球の軌道だけに意識の全部を集中させるのが心地よいゲームです。

 この日話した「仕事」についてのあれこれは、いつか新たなラジオとして公開するかも。
9/7 Fri


9/22 Sat



9/20 Thu


参考資料:デンマークから届いた花と野草の図案集「マツバトウダイ」
9/22 Sat


 twitterで「このアイコンの絵は可愛くて良いのだけど、どんな人が描いたんだろう?」と人のアイコンの絵に興味を持つことがたまにあります。
 不意に目に入る機会の多いSNSアイコン、これもある意味極小のバナーと言えなくもないかも。リューシカ・リューシカの安倍吉俊さんも公的にやってたしね(おかげでtwitterにリューシカが増えた気がする)。
 そんなわけで、ギャラリーにSNS用フリーアイコン集を作ってみました。「アイコン替えたいなー」って気分のそこのあなたに、ばりばり使って頂けたら幸い。でも、使いやすいかどうかは自分でもちょっとよくわかりません(笑)。
 絵柄はたまに増やしてこうかと思います。編集さんと相談して、商業作品からもアイコン化できるものがこれから出てくるかも。
9/26 Wed


 
9/28 Fri


 ねそべりとパンツの練習(むずい)。
 ペンタブ直書きだとついつい着色に没頭してしまい、形を取る意識が薄めになってしまうことに気がついた。自分の場合、紙とデジタルとで巧くバランスを取らないと、ちゃんと練習にできないような気がします。いろいろ描こう。

 十年ちょい使ってきたメールソフトOutlookExpressから、Thunderbirdに乗り換え。メール作成時の範囲指定がまともになってくれてとっても嬉しい。自分にとって素晴らしいソフトというのは、「空気のようになってなにも阻害しないように」振る舞うというものです。

絶体絶命英雄タペストリー企画というものが立ち上がっているそうで、こちらのページにコメントが集まるとグッズが実現に向けて実際に動き出すそうです。描き下ろしイラストを寄せるのも面白いだろうなー。どんなコメントでもOKなので、よかったら一言呟いてってくださいね。
9/29 Sat


 ミスド半額セールに無限の人々が列を成して並んでいるので、ここしばらくミスドで仕事ができない。ぐぬぬ……。
 コミケまであと90日だそうで、まるで信じられません。一年前と同じようにポメラを引っ張り出して、ぽちぽちと「シュレディンガ・フォークス」の続きを書いているところですが、はたして挿絵を満足に描けるくらい、余裕持って本編を書ききることができるかどうか……やらなきゃいかんのだが。



 夏はいまだ盛り、太陽は露店の幌と馬車の幌を白く焦がし、石畳の境目にたまる砂埃の表面には微少の陽炎が生まれる。
 二人の足下から雑然とした足音。
 ノノモリはそれを聞きながら考える。
 朝から夜、夏から秋、時間は歩みのひとつごとに、奥へ奥へと移ろう。決して留まることはない。
 時間は自らの方向を疑うこともない。
 ……だがそれすら、ノノモリには確証がなかった。
「時間の境界だって呪いに歪まされるかもしれない」
 なんとなく彼女はつぶやく。
「未来に向かって生きているという保証がなくなったとしたら、私たちは、時の流れをどうやって観測したらいいのかしら」
「まあ、生きてりゃお金は減りますよ」マコが夏の日差しみたいな体温を声に込めて、三歩後ろのノノモリを振り返った。
「お財布が薄くなったらあわてて次の仕事を探して、ちょっぴりお財布を膨らませるんです。それが私たちの、世知辛い毎日ってものなんですよ」
 ノノモリは少しだけ黙っていた。
 二人は一定のテンポで歩く。
 足下では太陽の角度が、誰にも知られることなく傾く。
「そういうものかもしれないわね」
 世界はまんべんなく昼下がりに包まれている。

<前回のあらすじ>



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[ 2012/10 ]