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レドウェイト：事件だッ！
ギャラハン：えらいことです、警部ッ！
レドウェイト：それはさておくが、お前は誰だ？　逮捕する。
ギャラハン：ち、ちょっと待って下さいよ。やだな忘れたんですか？　俺ですよ俺。
レドウェイト：いや初耳だ。やたら長大になったエントランス投稿の記録をめくっても、お前の名前は一度として出たことがない。さては、あれだな？　逮捕する。
ギャラハン：警部の部下ですっ！　ほら、29話とか超短編９話に出てるじゃないですか。ここ、ここ。
レドウェイト：ああ、そうか――いろいろと悪かったな。……思えば俺は、お前に厳しすぎたよ。
ギャラハン：あ、危ないところだった……。解ってくれましたか、警部。
レドウェイト：そうだ。謝る、超短編９話で撃たれて殉職した俺の部下ギャラハン・ホイットニー巡査部長（戒名）。だから迷わず昇天しろ。
ギャラハン：どこを取っても解ってません警部！
レドウェイト：しかし、事件だな。
ギャラハン：え？　ええ。事件ですね。こんなこと、俺が陛下から手錠を拝命してから四年、見たことがありません。ちなみに二十六歳独身です俺。
レドウェイト：さりげなく基本設定を追加しようとしたな。殉職だ。
ギャラハン：しつこいです！　というか処刑しようとしてませんか!?
レドウェイト：とにかく、事件だ。話が進展しないのはお前のせいだぞ、部下。逮――いやまあ、いい。俺だって被疑者を蹴りこかしてワッパを掛けるだけが趣味なわけじゃないしな。
ギャラハン：その趣味一つだけで致命的だと思います警部。
レドウェイト：そこに報告書がある。事件の概要だ、読み上げてみろ。
ギャラハン：ええ。これが事件ですね。
レドウェイト：そうだ、事件だ。
ギャラハン：この、エントランス・ゲーム化がですね警部――



テムズ：な、な、なんですってぇぇぇ!?
サリー：えへへぇ。
テムズ：どひゃあ！
サリー：びっくりしましたぁ？
テムズ：……と、リアクションはこれくらいでいいわね。サリー、掲載作紹介の時間よ。
サリー：えぇぇぇー？　もうちょっと盛り上がって下さいよ！　ゲーム化ですよぉ!?
テムズ：でもねぇ……。
サリー：テムズさんらしくないじゃないですかぁ！　愛やら誠意やらはどこに行っちゃったんですぅ!?　いいから、もう少し付き合って下さいよぅ！
テムズ：……ああ、もう、仕方ないわね。ゲームって、あれ？　大根？
サリー：ちっちっち。判ってませんねぇテムズさん。なんと、主人公はわたしなんです！　ばばーん！
テムズ：はいはい。それで、なに？　撃ったり壊したり殴ったり吹き飛ばしたりするの？
サリー：おぉ凄い。ほとんど正解ですぅ！　さすが本人！
テムズ：そーいうの、乱暴すぎて趣味じゃないのよね……。
サリー：まあまあ。今回に限っては知恵と勇気で闘う非暴力ヒロインなんです。
テムズ：それはよかったわねゲームってことは初回特典とか付くのよね。おまけ。カンペンケースとか（頬杖）。
サリー：テムズさんの興味がわかんないですぅ。とにかくカンペンじゃ効きませんよぅ！　今回はゲームっぽく特典に「豪華」二文字がくっついてるんですから！　どどーん！
テムズ：ふぅん……。冒険するの？
サリー：冒険と人間愛の物語ですぅ！
テムズ：次回作の予定は？　いきなり対戦パズルとかになるのよね。
サリー：それは反応次第ですぅ！　とみんなして無責任に言ってますぅ！
テムズ：……まあ、こんな所かな。いつか冗談でマルチメディア化、なんて言ってたけど、たまには夢を見るのも悪くないよね。
サリー：ええええ（頷く）。夢は見てれば叶っちゃうもんなんですねぇ……。
テムズ：良かったわね、サリー。いつか叶うと思うよ、わたしも。その時は一緒に冒険しようね。
サリー：はいですぅ！
テムズ：じゃそろそろ紹介、頼むわ。
サリー：はいですぅ！


サリー：お待たせしました――今回の掲載は、こちらっ！


Windows専用アドベンチャーゲーム『不思議の森の迷探偵』


　ばばーん！　♪ちゃちゃらー、ぱぱぱぱー、じゃーん！（ワー！）
テムズ：え……。なにそれ、サリー……？
サリー：いやだから、ゲームですよぅ。わたしが主人公の。
テムズ：いつもの長すぎる冗談じゃなかったわけ……？
サリー：（くすっ）駄目ですねぇ、テムズさん。いくらここだって、ゲームが投稿されたのに冗談にできるわけ無いじゃないですかぁ。
テムズ：ど、ど、どひゃあ!?



●各方面驚愕の投稿に、刮目すべし。マッキントッシュユーザーの方は、
　スクリーンショットだけでもね……。つづく。