……Go home》
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テリー:ア〜ニキぃ〜。なにやってんスか、こんな所で? 船長が呼んでたっスよ。
アニキ:……なあテリー、ちょいと考えてみたんだが。
テリー:なんスか、アニキ?
アニキ:俺の人生、このままでいいのだろうか?
テリー:…………え?
アニキ:来る日も来る日も、見えるのは海ばかりだ……。海ならまだいい。だが、俺は夢しか見ていないんじゃあねぇだろうか?
テリー:……な、な……。
アニキ:思えば、これまでの俺は色々なことをやらかしたよ。故郷をずたぼろになりながら飛び出し、一つの波頭を越えるごとに金と愛と涙と友情と栄光と挫折と名声と出会いと別れを手にしてきたさ。そうして俺は、いっぱしの船乗りを気取るようになっていた……。
テリー:あ、ぁぁアニキ、いきなり何を言い出すんス……
アニキ:そしてお前と出会い、この船と出会った。ここが俺の家、安住の地さ。だが、俺の心は未だに新しい波頭を捜して彷徨い続けている――。
テリー:せ、船長〜! アニキが、アニキがぁ〜! 壊れ――(がしっ)ゥッ。
アニキ:俺は思った! このままで良いのか! ふらふらうじうじ、居着くわけでもなく飛び回るわけでもねぇ! 一体全体、この船は檻なのか。いいや違う。この船は揺りかごなのか? いいや違う! 俺はここに根を張って、堅気な人生を捜すべきなんじゃねぇのか!? それともきれいさっぱり切り捨てて、郷里で初めに見つけた夢を追いかけるべきなんじゃねぇのかッ! どうだ!
テリー:(がっくんがっくん)あ、アニキ。どっちがなにがなんなんだかわかんないっス――
アニキ:俺の嫌いな言葉は分かるか。『中途半端』だ! 俺の好きな名前は港に一個ずつあるが、一番好きなのは『果断即決』だ――。だが――俺は……。
テリー:(どさっ)アニ、おえっ、げほげほ。あ、ぜーっ、ぜーっ。アニキ……。
アニキ:何も決められねぇまま……本当のことを何も見つけられねぇまま……この場所に居続けてしまったのさ……。とんだお笑いだぜ。茶番だぜ。テリー、俺をアニキと呼んでくれるな。俺はお前の兄貴じゃぁねぇんだ……。
テリー:アニキぃ……。アニキにそんなこと言われると、おいら悲しいっスぅ。一体誰を次のアニキにしろって言うんスか……(えぐえぐ)
アニキ:てなことを管理人が言ってたみてぇだな。
テリー:管理人がっスかッ!!
アニキ:どうやら、あいつも船乗りみてぇだな。てっきり怪しい自転車乗りだと思っていたが。ああちなみに、これは自転車操業に掛けてるからな。
テリー:つまんないっスよ。
アニキ:てめぇテリーのくせになんて事を言いやがる!? 気が利いていただろうが!
テリー:アニキはおいらのアニキじゃない言ったじゃないっスか! そんなアニキにゃもう遠慮なんてしないっスよ!
アニキ:ほほーう。やる気でいやがるな……。俺に勝てるか?(にやり)
テリー:アニキこそ、アニキじゃないアニキにおいらが圧されてると思ってんじゃねぇスよねぇ?(ぎらり)
アニキ:く、く、くくくくけけ……。
テリー:へ、へっ、へっへっへ……。
ウェッソン:こんな青空を見ていると、最近俺は思う。俺の人生、このままで良いのか……。
テムズ:良くないわよ。働きなさいよ。気付いてないとも思わないけど、あんたが食べてるのってタダ飯じゃないのよ。
ウェッソン:そうか、このままでいいんだな……ああポチ、俺は今日も幸せだよ……。あっ、なにをする!? ひぃぃ!
レドウェイト:街が燃えている。まったく……どいつもこいつも、プロ意識が足りない。
●更新に意味なんてないとは誰かが言ったところ。真偽はさておき、つづく。