エントランスとは、えーと……。まあ、なんだ。見たものだけが真実なので、それを踏まえて判断していただきたいと思うのです、エントランスがいかなるコーナーなのか。 ……Go home》
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Entrance:40 夢のかけら、集めて


(ちゅん……ちゅんちゅん……)

テムズ:(がばっ)むにゃー!?
サリー:どうしたんですかぁテムズさん? 血相変えて毛布を跳ね上げながらお目覚めなんて――あ、毛布落ちた。朝から脚力十分ですねぇ。
テムズ:なんで寝室にあんたが……それはいいわ別に。なんだかものすごく長い夢を見ていた気がするの……ぜーはー……。
ウェッソン:夢か、いかんな。夢って当たるぞけっこう。だらだら長い夢は人生に障るもんだ。
テムズ:なんで寝室にあんたまで……それはいいわ別きゃー! おまわりさーん!
レドウェイト:やれやれ、俺のワッパはどうやら錆びる暇もないらしい。来い犯罪者。話は署で食えカツ丼。
ウェッソン:お、おい待てよ! 俺じゃない! いきなりテムズの部屋なんて、聞いてなかったんだ! これは陰謀だ――――(ずりずり……)
サリー:それで、なんの夢なんですぅ?
テムズ:うん……。メイドに宿が乗っ取られたり、荒くれ者が集会開いたり、マンガ描いてたり、いつのまにか壁紙が黒くなったり、遠い国の郊外で油田掘ってたり、どこかで七人の武器屋とすれ違ったり……。
半年か……一年くらいかな……。
なぜか、とても遠い旅をしていたような、気がして……ぐすっ。
やだ、なんで涙が出るんだろう。わたし……。
サリー:心配しないで、テムズさん。ちゃんと今こうして起きれたじゃないですかぁ! 覚めない眠りなんてないんですよぉ。ひねくれずに今日を元気に生きるのが人間の義務です!
ウェッソン:そうだ……俺が言えたことではないが。半年更新が空いたという過去に縛られるな、テムズ。未来なんて見えなくてもいい。自分の足で立てればそれで良いんだ。
テムズ:……そうね、ありがとう、二人とも。こんなに毎日が充実しているのに不安になるなんてわたし、どうかしてた――おまわりさーん!
レドウェイト:近頃いたずらで警察に投書する連中が増えているな。そんな俺達の憤りを軽犯罪の取り締まりに注ぎ込んだところで、血税は無駄にはならんだろう。来い犯罪者め。
ウェッソン:頼む、話を聞いてくれ! 俺は正しい事を言っただけだ! あんただって純粋な心を震わせたことがあったはずだ! 言いたいことも言えないこんな世の中じゃ――――(ずりずり……)
テムズ:これに懲りたら二度と起き抜けのわたしの前に現れないことね。……ウェッソンは犯罪者だからいいけど、サリーはどーしてわたしの寝室にいるのよ。珍しく早起きじゃない。
サリー:いやだって、今日がエントラ長期休業の最終日ですしぃ……。
テムズ:うん?
サリー:一日突貫で自由研究できる分野はなにがあるかなぁって思って……。
テムズ:はあ。
サリー:半年分のテムズさん寝言を一晩で収録してたんですぅ。
テムズ:へえ。
サリー:意外に収穫できたんですよぉ。ざっと一年くらいは毎日載せられますねぇ。(ぱらぱら……)例えばvol.40の寝言は「…えへっ。おうじ――
テムズ:その研究は学会で否定されたわッ!(ぽいっ、げしげしっ)
サリー:あー! ひ、非道いですぅテムズさん! 今に始まったことじゃないけどテムズさんには真実への畏敬が足りないと言わざるを得ませんん! テムズさんのシュレッダーレッグは学会なんですかぁ?
テムズ:そんな特殊な需要を生みそうなコンテンツなんかいらんわっ。おとなしくアレ読んどきなさい!
サリー:はぁーあ。またしても真実は政府の陰謀の中……。じゃあ行きますよぉー、テムズさん公認のマイネオ自由研究ですぅ!

     本編第50話『Today goes on』
     番外編第23話『Sally's song』
     超短編第15話『Parallel world』

 学会の反応が楽しみですねぇ。あ、論文のセカンドオーサ(副著者欄)にちゃんとわたしの名前書いといてください。
テムズ:はいはい。……じゃ、今日も普通に営業しましょ!


レドウェイト:動機は何だ、ガンマン。お前ほどの男がこんな軽犯罪に踏み込む……半年というのは嫌な時間だな。人を変えるのは結局、こんな細かい思い出だけだ……。
ウェッソン:頼む信じてくれ。確かにカツ丼は美味いが、俺はどうしても大戦で食べたカレーそばの味を忘れられないんだ。本当だ。注文を変えさせてくれ。
レドウェイト:駄目だ。それだけは……許せんな。ギャラハン、こいつで立件だ。弁護士団に電報を打ってやれ。
ウェッソン:どうしてだ、なぜそこまで拒む…………
まさか…………戦調か!
大戦調査委員会がカレー作戦の事実を隠滅しようとしている! そうなんだな、レドウェイト!
レドウェイト:勘違いだ、ウェッソン・ブラウニング。そのメニューは許せん――これは、俺の正義だッ!


●To be Continued。

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