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Entrance:31 事件よ起これ、探偵は嵐を呼ぶ

エントランスとは



サリー:く、くくっくっくっく……!
テムズ:ど、どうしたのサリー? 夕食時にいきなりそんな不気味で定番だけど実際は発音がむずかしい笑い声を……。
サリー:宣言しよう。君たちはもう逃げられない。かつて血で血を洗った惨劇刻まれしこのから。
ウェッソン:おい、どうかしたのか? テムズが思わず説明口調で反応するなんて、ただごとじゃないぞ。
サリー:疑心が暗鬼となり巻き起こすは、さらなる虐業!
アリサ:サリーちゃん、飛ばしてるよねぇ、相変わらず。ねえテムズ、たまにこの子、お医者さんに見せてあげたら?
サリー:太陽を拝むことが出来るのはこの中の人数ひく1! その翌朝もまた一人ずつ。贄は闇へ捧げられていくだろう……。
ヘレナ:あら、この子っていつも演技してたんじゃないの? それとも、ついに悪魔憑きを見ちゃったのかしら、あたし。
サリー:そこで君たちにヒントを与えてくれようではないか!
医師:アリ――セリーヌ。済まないが、そこの塩を取ってくれ。
サリー:いがぐりは曙に沈むであろう!
アリス:ああ先生言いよどみましたね! ひどい、酷いですよ!? さすがにわたし怒りましたか!? おこりますよね!? いいもん、わたしだって塩くらい取ってあげられますもん! きゃー!
サリー:伸びた死神の鎌は赤き地に蛇の舞をのたまい、夜陰とともに雀は床に就く!
セリーヌ:……塩です、どうぞ。
サリー:くく、解るかこの謎が。そうだ解るまい!
フォートル:取り込み中失礼するがマジカル☆ガール、例によって例の如く君の暴力が必要にぶぎゃっ。
サリー:事件は集ったのだ、この館に! 犯人を捜すがいい、愚かな探偵どもよ。我は悪の代弁者となり、貴様らを粛正する。これはゲームなのだよ……。
オード:文句が多いわけじゃないけど、野菜スティックじゃなくて暖かいものが欲しいな……。
サリー:見てみるがいい、汝らが渡った唯一の吊り橋は時限的に焼け落ちて奈落に落ちた。く、くくっくっく!
フランク:くっくくっくくっくくっく♪ くっくくっくくー! さあ歌おうよ食卓に花を飾るのさ食べられればなおのこと良い。くっくるっくく♪
サリー:予報を聞いた勤勉なる諸君は知っているだろうが、この館は雪に閉ざされている……。
アニキ:ゆ、だとぅ! やめてくれ、俺にそれを見せるな……! あ、ああ!
サリー:そして、砂漠には無数のサソリが。解るか? そう解るまい!
テリー:あ、アニキ!? どうしたんスか、あのお嬢ちゃんからなにか攻撃を!? しっかりするっスぅ!
サリー:陸の孤島だ!
鍛冶屋:こ、孤島……。テムズさんと孤島……。二人で孤島……。
サリー:これで、君たちは財宝を捜すしかなくなったわけだ……やがて己一人の手を黄金で満たす、業満ちる道だ。
アリスト:さあ! 皆さん。宴もたけなわですね。ここらで一発、景気の良い曲はどうかな? そうだね、金色の小さいお嬢さんにぴったりなBGMを贈ってあげようか――(♪ジャン、ジャンジャンジャンジャンジャン
サリー:期限は七日。それまでに貴様らは、朝を迎える毎に一人ずつ隣人の死を見ることになるだろう……。
じいさん:ほっほっほ。サリーちゃん、スープが冷えておるよ。取り替えてもらったらどうだね?
サリー:生き残り、謎が解けた者は、至宝を持って鐘楼に登るのだ。鐘を鳴らすが良い。たった一人、醜くも栄華なる生を手にしたと世界に宣言するのだ! そうしてとうとう、ゲームは終わりを迎える……。
レドウェイト:ああ、俺はミルクでいい。生憎勤務中だ。
サリー:楽しいか、そう楽しいぞ! 全ては私の手の中なのだ。この、最後の晩餐を味わっておくといい。貴様らはあがけ。怯えよ。謎を謎のままに捨て置き、地獄を這いずるが良い! ここは孤島の煉獄なのだ! はは、はは、ふはははっははっはーはーはー!はー!はー! (エコー)
……(がたん)
うさぎ:(ふう)
テムズ:お、収まったわね……。ジェフ、食べ終わった? ちょっとさすがに危なそうだから、看てあげて――
サリー:(がばっ)どぉーですかテムズさん! ざっとこんな内容の挑戦状がさっきかじったわたしのパンの中に仕込まれてたんですぅ!
テムズ:えっ、え?
ウェッソン:えーと、なにか、挑戦状なのか? そのあれだ、今までのアレな口上が……
サリー:そう、大胆不敵でしょぅ? 白昼堂々、ディナーパーティーに集まった中で、こんな。こんな! だって陸の孤島ですよっ!?
ウェッソン:悪戯じゃ、
サリー:探偵パラダイスですぅ!
鍛冶屋:パラダイス……テムズさんと、パラダイス……(ぶつぶつ)
サリー:ここまでおあつらえむきなロケーションを用意した粋な犯人には、名探偵が逆転劇をプレゼントするのが礼儀っ。でしょぅ? 安心して下さいテムズさん、だいたい6日目で謎を一気に解いてあげますから! テムズさんはきっと生き残ってますよ、うん。
テムズ:あ、ええ……。ありがとう……。
ウェッソン:しっかりしろ巻き込まれるなテムズ。ここは宿の食堂だぞ?
テムズ:あ、ごめん、ウェッソン……さすがに……つっこみようがなかったから……。駄目ね、わたし……。
ウェッソン:あのなあ、お前もいい加減にしろよ、サリー。その挑戦状とやら、一字一句情感たっぷり読み上げる必要があるか?
サリー:当然じゃないですかぁ!
ウェッソン:断言されたか……。
医師:さて、話は聞いていた。
ウェッソン:おお、先生。助かる、あんたからも言ってやってくれよ。
サリー:なんですかぁ? 目撃情報なら、今の内に……
医師:この場にいる20人近くの人間を一人一日のペースで殺害すると、全滅まで20日ほど掛かる公算になるのだが?
サリー:………………………………。
 謎は出された瞬間に解けたようですぅ……。
医師:では、失礼。ごちそうさまテムズ、良い味だったよ。いずれセリーヌに手際の良さを見習わせたいと思っている……(がちゃ、からんからん)
サリー:さて、勝利したところでおなかが減りました。真実の味を堪能するのですぅ! ……このスープ、冷めちゃってますけどぉ。
テムズ:……贅沢言わない。残さないのよ。わたし、先に寝るわね……(ふらふら)




フォートル:マジカル☆ガールとて心の不調はある。生憎、私では癒すことは出来まい……隣人が原因である以上、環境に救いを求めるのも無意味だ。環境は少し、だが現在確かに変化しつつあるのだが、な。
 自分で癒すしかないのだ、マジカル☆ガール。

 さて、投稿はあるようだ……


本編第44話『Sense blows over』
超短編第10話『Corrupt practice』


 これまでの伏線を見逃してはならんぞ。
 そして、ここ。ここも重要だマジカ――もとい、読者諸君。実は先日管理者のミスで、投稿作一編のタイトルが仮の物になったままだったことが判明したのだ! まったく、これで管理とは余りにも洒落臭いではないか。投げる石は用意しておきたまえよ。
 件の投稿作は超短編5話『Drowsings[5]』だ。この掌編に冠された本当の名前は、君が実際に確認するといい。人聞きは虚偽なのだよ、まじ――ええい、読者諸君。

鍛冶屋:うん、雪の山荘もいいな……(ぶつぶつ)



●ここまでやっても書き逃し多数、ずいぶん人が増えました。収拾付かずにつづく。


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