はじめに見えたのは赤毛だ。
次に見えたのは、砂利で斑になった青いエプロン。
その次は、赤色がもう泥と同じ色と化したずたずたのスカート。

エントランスの三人が死んで転がっていた。

赤毛の後頭部と、黒髪の虚ろな目と、金髪ののたくったお下げが
等しく落葉と泥水にまみれている。
わたしは…………
「嘘だ」
呟くしかない……。
「嘘よ……」
三人を殺した凶器が、かたわらに砕けて転がっている。
「わたしは…………」

違う、と、内心悲鳴を上げる。
でも、それは、それだけは、
自分は見間違えることはない。

真っ白い、大根。

「あなたたちだけ残そうとしたのに……」

「思った通りだ」

いつの間にか、追跡者がすぐ後ろにいた。
わたしは飛び退いて、その姿を正面から目にする。


…………