雑誌特集のためのイラスト。A3イラストボードで制作。 自分の地元では三月でも雪が積もることがたまにあり、半分濡れた公園の坂道を雪を蹴立てながら登下校した記憶が深く残っています。 冬場の空気は湿潤で息を不透明に煙らせ、空は長い間鉛色に覆われていて、それでも時折雲間にちらつく白い陽光が春の接近を予感させる、そんな季節でした。 描かれているのは「スオミさんと田舎町」の主人公です。 この絵は同年五月に行われた自分の個展のミニポスターにもなり、付き合いの長い地元の本屋さんに貼って頂けました。 そちらではサイン会も開催してもらったり、店内小個展のための原画を送ろうとしたら三月に震災が起きてしばらく宅急便がストップしていたり、このイラストの周辺には色々な思い出がくっついています。 |