ギャラリー

　今までの四冊は富士見ファンタジア文庫特有の「枠」も自分で描き入れていたのですが、「販促用にカバーイラストを使いにくい」という声が聞こえてきたので、この巻からトリミングされることを前提にしてイラストを描くようになりました。
　これは本になったときのイメージが測りづらいのですが、五巻はなんとか収まりの良い紙面になってくれたかな、と思います。

　現在の富士見ファンタジア文庫では「枠」と黒いゴシック体によるテンプレートが廃止されたと聞きます。賛否はあるでしょうけど、イラストレーターの立場からすると、「絵の使い方」の可能性が広がったのは純粋に嬉しい。枠の中という制約だからこそ搾り出せる創意工夫というのもあるのですけどね。

　それにしても、
　イッコはしょっちゅうにやりと笑う人なんですが、この「にやり」はいつ描いても難しい！
　今回その辺をめちゃくちゃ試行錯誤しておりました。それでもベストな表情にはできなかったと、この絵には珍しく個人的な悔いを残しています。
　次はもうちょい可愛く描いてやりたいと思ったので、八巻カバーのイッコはあんな感じになったのです。