嵐にかすまされて何の音も聞こえない視界に まず、白いものがかすめて 右半分を覆う ――火花に何もかもが吹き飛ばされて 無重力の頭が ごしゃり、と立てた音だけを明瞭に聞いて 片方の頬を濡れた硝子質が押しつけていて 手も足も おおぉぉおおぉ「終わった」おおぉぉぉぉお ただ、目だけが、その白い おおおぉぉおぉ「終わった」おおおぉぉおお 手から伸びる白色と緑の お ぉおおぉぉ「全部死んだ」おおぉお ぉ 緑に広がった葉だけが薄闇に溶けきれず お ぉ「全部」お ぉ お 赤い髪と 低い音が聞こえない耳鳴りに代わってゆく ぉ 「…………」 お … 「…………」 … 耳鳴りが―― あれは…… 大根…………? ***************** |