[その野菜はだめだよ]



「!!!!」
息が消し飛んだ、
全く予想していない、
文字が戸の裏側に張り付けられている。



[その野菜はだめだよ]



「う……っ!」
なんだ。
「うう……」
これはなんだ。
「ううう……!!」
何を見ている?
「こんな」
文字は
「知らない……!!」

違和感がとたんに噴出して
戸外の轟音が音量を増すのに共鳴していって
かぶりを振っても
「おかしい」
とても追い出せない!
「誰が!」
そう、そもそも誰が
「こんな……!」
そう、最初から誰かが
「…………」
いるのだ。



背後に稲光が灯される瞬間をこのときだけは永遠に知覚することができる。