じ・じじ……
緑色の薄闇が満ちた。
ひからびた蛍光灯が発しているのは実際光だったろうが、
それを見て無意識に再生したイメージは、
午後五時四十五分の宵闇の仄暗さだ。
足下を照らすにはあまりにもおぼつかないが、
空間の広さだけは、何故かぎりぎりの所で把握できる……。

地下室の壁は赤黒い煉瓦と脂肪のような白いモルタルが幾層にも重ねられ、
君の真横で脈絡もなく口を開けている。

右へと空間が続いているのだ。


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