これ以降、君の耳には奇妙な風音が鳴り続けるかもしれないが、
それを鳴らすか鳴らさないかは、君の自由だ。


――回廊。
扉をくぐった先は中庭になっていて、その先に本邸がある。
それを右回りに迂回するように回廊が設けられていた。
回廊の両側は床石と同じ色をした高い壁に遮られていて、
外の光はほとんど入ってこない。
「悪趣味」
君は機嫌悪く呟いて、歩き始める。
サイトはこの先にあるのだ。
ここはほんのエントランスに過ぎない。


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