The another adventure of FRONTIERPUB 58
家とは何だろうか。家族の居る場所?―――違う。この御時世、家族を欠けずに保っている家庭は決して多いとは言えない。家族と離れて住まう人間だって居る。しかし、それでも彼らはそこを家と呼ぶだろう。 なら、何なんだ? 考える力以上に頭がぐるぐると回る。目の前も、歪んで歪んで回転―――。 「ウェッソン?」 耳に入った言葉に、右脚に力が篭った。踏ん張って、椅子から床に倒れこむ体を支える。 テーブルの上で組んだ両腕に埋まっていた顔を起こす。ぼんやり瞳孔を開いた眼の先には、赤い髪が目立って見えた。 テムズ、ここの主であった。ドアを少し開いて、半身を覗かせている。 「幾らノックしても返事しなかったけど、起きてたのね」 ノブを持たない手の甲を腰に当て、呆れたような表情で言ってきた。 言われて背後の窓に目を移すと、カーテンの隙間から明るい光が差し込んでいた。暗い床に切れ込んだ眩い光は、一般には綺麗なコントラストなんだろうな。などと思いつつ、 「夜通しだ。悪いが、ウィスキーを一本貰った」 半分開いた目で答えた。 テムズの目がテーブルの上に移る。きっと、乱雑に並んだビンやらコップ。それに銃の部品が見えたことだろう。 当然ながら不思議そうな顔をして、大丈夫かと訊いてきたので、そうだと返しておいた。 「そ。じゃあ、ご飯食べたらおつかい行って来てくれる? メモはこの中にあるから」 そう言って、バスケットをこちらの目線に軽く突き出してきた。幅の広い竹を格子状に組んだ、どこにでも見かける奴だ。昔からこの店で使われていたらしいが、今ではすっかり俺の手に馴染んでいる。 俺は愛銃の部品を掌で示して、 「もう少しでこいつが終わるから、それからで良いか?」 「うん。お願いね」 よくある会話を済ませると、テムズは部屋に入ってきてバスケットを空いた椅子に置いた。そして一度閉じたドアのノブを再び押して、 「そのウィスキー、ツケに回しとくからね」 冷たい笑顔で、これまたよくある言葉を残して部屋を出て行った。 階段を中ほどまで降りると、テムズが食器を片付けているのが見えた。さらに数段降りると、こちらに気づいて言ってきた。 「あ、ウェッソン。それ朝ご飯ね。さっさと食べちゃって行ってきてよ」 テムズの目線の先には、テーブルに置かれたパンとコーヒー。 国産小麦のパンに、コーヒーは不純物抜きのブラック。隣にはパンのためのバターとジャムのケースが置いてある。何かもう一品欲しいところだが、いつもの朝食だ。 「あぁ」 軽く返事をして、席に着く。 「……冷めてるな」 一口流し込んだコーヒーは、猫舌の俺にでさえぬるく感じられた。アイスコーヒーとも呼べないこの生温かさがやるせない。 「あんた、中々起きてこないんだもの。流石にここまで寝てると、逆に心配になったぐらいよ」 言われて時計に目をやると、時刻は既に正午を目の前に迎えている。 こいつは少し困った。夏の陽光はツケの額に比例してやる気を激減させる。今のやる気は……60ヤルキーぐらいだろうか。ちなみに1000が最大値である。正直、あまり外に出たくない。 まぁ、そんなことを口にしようものなら、間違いなく命がドーバー海峡に沈むだろう。 「ん、悪かった」 取り敢えず、口先だけでも見繕っておいた。 「そういや、サリーは?」 空腹でなければあまり口にしたくないブランチを食べ終え、訊いてみた。姿がまったく見えなかったし、声も聞こえない。 「朝っぱらから出て行ったわ。『怪盗ベリーコロネットを絶対必ず迅速即急いのいの一番に捕まえてやりますぅ!!』なんて言って」 「へぇ……」 抜けるような相槌を打って脇の新聞を開いてみると、隅っこに小さくその何とかという怪盗についての記事があった。一般紙に載るようなら、それなりに有名なんだろう。それでも日中に怪盗を探すのはどうかと思うが、毎度のことだから敢えて言うまい。 だるだると街道を少し歩いたところで、メモを取り出して見てみる。内容は、大方いつも通りの食材だった。狙い定めたかの如く、さっそく脇の店に入る。ここではすっかり常連だ。 魚介類を買うのには、港の露店を利用している。当たり前だが他の店と比べて距離があり、大概の品は早朝に売り出されている。しかし、こんな時間でも十分な数が残っているし、何より仲介が無いために安い。ここで余った中から、少しばかり小遣いや、ツケを返す足しに頂いている。 何度もここへ足を運ぶうちに、望みもしないのに食材を見極める眼が出来てきた。例えば、左の少し向こうのサーモン。恐らく二日以上も前に揚げられたものだろう。焼いて売って誤魔化しているようだ。右の手前の店では、若い兄さんが新鮮だと元気に進める鯵をおばさんが断ってる。本当に新鮮なのに、勿体無いものだ。鯵が欲しければ間違いなくあれを買うのだが、生憎と今日のメモには書かれていない。 結局、波止場まで歩いたところにある店まで行き、最後の食材を買った。 釣りを受け取って顔を挙げると、思わず近くの客船に目を奪われた。3,4階程はあり、自分が乗ってきた船よりも遥かに大きい。所々荒れてはいるが、全体的に白く整い、少し上等な一般客船と言ったところだ。丁度入港したところらしく、ぱらぱらと下船客が横を通り過ぎていく。 こんなとき、時々考えてしまう。もしも―――本当にもしもだが、俺がこのままこの船に乗り、この倫敦を離れたらどうなるだろうか? と。 この街で深く関わった人間はそうは居ない。親友だなんだと言っていても、別れてしまったところで、それはそれでほとんど隙間の無い生活を送って行けるもんだ。なにより、俺自身が腐るほどに経験している。 さて、テムズはどうなるだろうか? 以前、間違いではあったがチェックアウトしたことがあった。その時と同じように悲しむだろう。しかし、彼女ならきっと大丈夫だ。俺になんかよりもずっと強い想いが、店に向いている。サリーと二人で、でなければ誰かを雇ってしっかりとやっていくだろう。 ―――サリーと二人で? そのサリーはどうなんだ? いつも俺が居なくなると追いかけてくるが、今度は行き先など分からず、追いかけようにもしようが無い。思い当たる場所を全て駆けずり回って、手当たり次第の人間に泣きついて、そして……そして―――。 「よぉ、ブラウニング!」 ガハハとでも言いそうな豪快な口ぶりと共に、勢い良く肩を叩かれた。 「……っ!」 余程気を抜いていたのだろう。不覚にも、鋭く身構えてしまった。二歩の間を一足で開き、石畳を切るように踏み止まって、小さな砂埃を舞い上げる。その勢いで半身を背け、懐に手を入れた―――バスケットが宙を舞う―――。そして相手を睨み付け、折れるほどに歯を食いしばる。……まるで、自分の周りだけがあの場へと戻ったかのような錯覚さえ感じた。 「ちょー、ちょい待て! オレんこと忘れたか!?」 男は両手を挙げながら、慌てて叫んだ。 相手の言葉もあり、そこまでしてやっと見覚えのある顔だと分かった。確か、 「―――誰だったかな?」 必死に、叩いていた。よっぽどのことでないとこいつはへこたれたりはしない。けれども、もし傷一つでもつけてしまったら大惨事だ。その無残な姿を見れば、彼女は酷く悲しむ。いや、むしろ怒りを見せるだろう。果たしてその非難に俺は耐えられるだろうか。 そんなことを考えながらも、砂埃の中でひたすらに叩き続ける。そう、 「えぇと、他のお客様の迷惑にならないように、気をつけてください……ね……」 バスケットを。 男の名前はマルタンだった。昔戦場で、少しばかり共に過ごしていた、いわゆる戦友。フランス人だが、英語を話せるということもあって結構うまくやっていた。そうこうしているうちに戦争は終わり、マルタンは故郷に帰ると言って、それきりの別れだった。 そして今、そいつの提案で街の一角の酒場に来ている。フロンティアパブに誘ってみたが、俺が厄介になっていると言ったら遠まわしに断られてしまったのだ。 バスケットを見つめなおし、そろそろ満足したので叩くのをやめた。 「……で、あの、ご注文は?」 改めてウェイトレスを見ると、きっちりとした営業スマイルをしていた。しかし、二十歳に届くかどうかといった顔立ちで、言葉自体はおどおどしたところもある。まぁ、俺のせいなのだが。 「フィッシュ&チップスにスコーン二人前とフライドチキン。酒はジン。と、……ブラウニング、何にする?」 訊かれて、俺は目を落として答える。 「エール」 「は?」 マルタンが一瞬固まった。そんなに驚かれることだったのだろうか? 「オメェ、腹減ってないのか?」 確かにそれもある。パブで食べてきたばかりだ。しかし一番の理由は、 「正直に言えば、金が無い」 また固まった。が、すぐに店を覆いつくすように笑い声を上げた。 「そうかそうか! 変わっちゃいねぇなぁオメェ」 昔はそれほど貧乏だった憶えも無いが。 「しょうがねぇ、おごってやるよ。あんまり高くないもん選べや」 断っても悪いので、腹にたまらないものを二皿頼んだ。 ―――昼間からそんなに食べるお前こそどうかと思う。その言葉は胸にしまっておいた。 注文を受け取って、ウェイトレスが席から離れていく。 「しかしブラウニング、やっぱり倫敦に根ぇ張ってたのか」 「根を張る、ね。まぁ……そうだな」 やっぱり? ―――そういえば、戦場で故郷を訊かれたときに、倫敦から来た。と答えた気がする。別に故郷を言った訳ではなく、言葉の通り、そのとき偶然倫敦から来ただけなのだが。 それから、ここでの暮らしについて訊かれた。宿はどうだの、金はどうしてるだの、女はどんな感じだの、向こうの問いにこっちが答えるだけの形になった。性格は昔とまったく変わっていなかった。あえて言えば、少し丸くなったような感じだろうか。戦争から離れたのだし、至極当たり前のことだ。 話しているうち、注文していたものが運ばれてきた。マルタンは、嬉しそうにジンを口に流し込んだ。一気に半分ほど飲んで、テーブルにジョッキを軽く叩きつける。それから肴に手を出して、食べながら言ってきた。 「で、楽しいのか? ここは」 直球だった。考えてみれば、サリーの探偵ごっこに無理矢理つき合わされたり、雪平鍋で頭をど突かれたり、ときどき悪魔を見たり、ろくなことがない。―――だが、そのろくでもない事こそが、何より楽しかった。だから素直に、 「ああ、楽しいよ」 そう答えた。 その瞬間、マルタンの表情が初めて曇った。何か迷っているような、そんな感じだ。 そして、しばらくして、決意したように口を開いた。 「なぁ、ブラウニング―――」 「おい」 横から入ってきた男が、その言葉を遮った。 「死神だな?」 男は二メートル近くの身長があり、焼け焦げた身体には幾つもの傷があった。西部劇にでも出ているつもりなのか、両腰に拳銃をぶら下げている。 「さぁな。人違いじゃないのか」 男の眉がひくついた。 「そうか。なら聞き方を変えようか。名前はウェッソン・ブラウニングだな?」 「名前はその通りだ。どうやらその死神さんとやらと同じらしいな。こりゃ珍しい」 俺は両手を開いておどけて見せた。 男はテーブルを叩いて叫ぶ。 「ふざけんじゃねぇ死神! 俺と勝負しろ!」 男の額には血管が浮かんでいた。随分とご立腹のようである。 「うるさいぞ。公共のマナーも知らんのか」 エールを一口飲む。 いつの間にか、周りの客の視線が集まっていた。慌しく動き回っていたウェイトレスも、金縛りにあったように身を固めてこちらを見つめていた。 「いい加減にしろよ死神ィィ!!」 とうとう胸倉を掴んできた。目は今にもイキそうだ。 「他のお客様の迷惑になるってのが判らんのか……?」 静かに、だが厳しい声色で言い放ち、男の腕を逆に掴み返す。 「ひ……」 同じ高さになった目を軽く睨むと、あっさりと男の手が離れた。どっさりと体が椅子に沈む。座り直して、もう一口エールを飲んだ。 「今は血を見たくはない」 ―――もし見てしまったら、二度と戻れなくなるような気がする。 「帰ってくれ」 男は声にならない叫びを上げて、尻餅をつきながら慌てて店から出て行った。 周りの客の視線には全く気付かなかった。ただ、マルタンに話しかける。 「……っと、悪かったな。何の話だった?」 マルタンからは、言葉ではなく嘆息が返ってきた。しばらくして、言葉が後ろから追いついてきた。 「変わってねぇなあ。相変わらずだ」 そう言われれば、そういうところもあるのかもしれない。 強張っていたはずのマルタンの表情は、いつの間にか緩んでいた。しかし、 「だがな、死神」 その表情も一瞬にして厳しくなった。その放たれた言葉に、自分の顔も思わずきつくなる。 「オメェがここに根を張ってから、今みたいなことが何回起こった? 一度や二度じゃないだろう。 それも今みたいに生易しくは済んでないはずだ。 いったい今まで何人の人間を何度危険にさらした? どれだけの物を破壊した?」 一言一言が胸に突き刺さる。 これまでに起こした事件は、一つたりとも忘れていない。ふざけて、正確な数字を答えるのも簡単なことだった。 「これからも、そんなことは絶えず起こるだろうよ。たとえオメェが死神の名を捨てても、周りの人間がそれを許さない。 しかも、ここに居たんじゃてめぇ勝手に事は収められないんだ」 薄々と、何が言いたいのか、何故俺に会いに来たのか、分かってきた。分かったからこそ、余計に言葉に詰まる。 「なぁ、ブラウニング。実はな、新大陸にいる大富豪が、オレらみたいな人間を集めているんだ。 オレはその人物に会って、お前―――死神―――の話をして来た。もしお前が来るのなら、両手を広げて歓迎するそうだ」 やっぱりだ。 ―――脳裏によぎる。剣を振りかざし、咆哮を上げながら自分に向かってくる男が――― 「その……なんだ。オメェにとっても悪い話じゃないだろう? 戦争が終わったってのに故郷を去るのは、そりゃ辛いだろうが、居続ければ周りの人間がもっと辛くなるかもしれないんだぞ?」 やっぱりだ。 ―――向かってくる男を、一つの銃声で地に伏せさせる。心のどこかで感じていた、満足感を思い出す。ひっそりと潜んでいた、もう一度それを得たいという気持ちが、一気に込みあがってくる――― やっぱりこいつは、俺をここから引き離そうとする。 ―――人の山を作ったときの、ほんの僅かな快感が、無理矢理引っ張り出される――― そんなことは分かっていた。それを覚悟の上で、必ず俺が守ると誓って、ここに居るんだ……居るはずだ。しかし、何故だろうか……、きっぱりと断ることが出来ない。何故だ? 渡りに船―――違う! 俺は何を言っているんだ。 必ず? 守る? 誓い? 今までだって何度も迷ったはずだ。そして、きっぱりと答えを出したはずだ。……はずなのに……。 「そう……だな」 揺れ動く俺の心は、自然とマルタンの方に傾きかけていた。 ―――ウェッソン!!――― 気のせいだろうか、サリーの声が聞こえた気がする。しかしそれさえも、もうどうでもいい気がした。 ―――ウェッソン! お願い、待ってくださぁい――― また声が聞こえた。時々裏返るサリーの声が。 ―――探偵のくせに何言ってるのかよく分かんないですけど、とにかく離れちゃったら嫌ですよぉ。 何が起こったってぇぇ、ひっく、ウェッソンが居なくなるよりは全然大したこと無いんですからぁ……えぐっ――― そのしゃくり上げは、間違いなくサリーのものだった。思わず立ち上がって周りを見渡す。しかし、サリーの姿はどこにも見あたらなかった。マルタンは不思議そうな顔をしている。 空耳だったのだろうか? ―――いや、聞き間違えるはずも無い。それは確かにサリーの声だった。 「あー……で、どうだろうか?」 おもむろに座りなおすと、再びマルタンが訊いてきた。 大丈夫だ。たった今、答えが見つかった。 「悪いが、お断りだ。お前の言うとおり、もう自分勝手に動かせる体じゃない」 そう言うと、傷だらけの手を顔に当てて落ち込まれた。だが、しばらくすると、何故か笑い声が聞こえてきた。 「はっははははは……まいったよ。まさか断られるとは。―――いや、本心ではその言葉が聞きたかったのかもな」 マルタンは、はじけた風船のように笑っていた。何かが可笑しくて、たまらないかのように。 「実を言うとな、オメェの前にも何人か当たったんだよ。けど、みんな平和になれちまってなぁ、今更裏の世界には戻れないなんて言いやがるんだ」 とつとつと、まるで演劇の台本を読むかのようだった。 「もちろん、そいつらに持ちかけたのは今の大富豪の話なんかじゃない。結構せこせこした話だった。それで、アテがいくつか外れたときに、その大富豪の話を耳にした」 そう、こいつの話は演劇だ。自分とは関係の無い、かけ離れた世界の物語。 「オメェが最後の望みだった。……オメェに断られたんなら、オレはそんな世界からは見放されたってことなんだろう」 そう言って懐に手を伸ばしたマルタンは、演劇が終わって舞台から降りてきた役者のようだった。 「オレにはもうこいつは必要ない。オメェが貰ってくれ」 テーブルに置かれたのは、一丁の銃だった。 「お前、これ……」 それは、マルタンが戦場で使っていた銃だった。俺と同じぐらい、いや、俺以上にこいつはこの銃に愛情を注いでいた。 「オレはきっぱり足を洗う。どっかで働き口見つけて、嫁さん貰って静かに暮らすわ」 立ち上がりながら、それは何となく優しい声だった。 「元気でな」 マルタンは金を置いて、静かに店を出て行った。その声は、寂しげではあったが、どこか精力的な感じもした。 「ま、腕一本ぐらいは覚悟しとくか」 フロンティアパブが見えてきたのは、日が暮れて、更にチェス一局打てるぐらい経ってからのことだった。 バスケットの食材―――鮮魚はとっくに腐っている―――に加えて、ホルスターに無理矢理に挿した二丁目の銃がやけに重い。そして、それ以上に気が重かった。 店に近づき、更にチェス一局打てるぐらいの尻込みの後に、覚悟を決めてスイングドアをくぐった。 待ち受けていたのは――― 「お帰りなさい」 どういうわけか、笑顔だった。店も何の問題も無く営業している。 訳がわからなくて呆然と立っていると、横からサリーがにへへ〜と得意顔で笑ってきた。心なしか、目元が赤い。 そうか、そういうことだったのか―――。 何となくだが、二人の優しさの理由が分かった気がした。 家とは何だろう? もしかすると、世界には数え切れないほどの答えがあるのかもしれない。 俺にとっての答え……家とは―――そう、この二人が居る場所。 ここが俺の家だ。 |
おわり