君が入ってきた扉側に一対の壁掛け燭台が灯っていて、それが唯一の光源だ。 いやにほこりくさい小部屋の中央には薄灰色をした木製のチェストがあり、そこからは土砂崩れのように漫画本があふれ出して、机の天版はさっぱり見えない。 古本のことごとくは判読すらもできないほどぼろぼろだったが、君はその中からいくつか読めそうな短編を引っ張り出すことができた。 もし君がウェブの迷宮を彷徨うのに疲れていたのなら、壁際の椅子(これまた机に負けず劣らずのベテランだ)に腰を落ち着けてしばし他愛もない娯楽にふけってみるのも良いだろう。 |
2009.3 初出月刊コミックラッシュ
田舎嫌いの田舎娘が家出しようとしているコメディ短編。 自分が描いている連載マンガ「パプリオーン!みずはらさん」の外伝として読むこともできます。 |
2004.8 "NOT FOR PUSH vol.1"より
季節は夏。とある田舎町を舞台にはじまる高校生とメイドと黒猫による日常系コメディストーリー。 |
2006.8 "NOT FOR PUSH vol.2"より
その翌日、メイドと高校生がお互いの思惑を交錯させる横で、黒猫は呑気にまどろみます。 |
2007.8 "NOT FOR PUSH vol.3"より
第二の高校生が現れて、物語は唐突にペタンクマンガに変貌します。ペタンクってなんだ? |