Super short 6(Part 3)

Contributor/影冥さん
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〜ウェッソン・ブラウニング〜


 ウェッソンはサリーと一緒に街中を歩いていた。
何をするわけでもない。ただ歩いているだけだ。
「ウェッソン」
 呼ぶ声にウェッソンは振向いた。そこにいたのは茶髪にそばかすの娘。
「アンナ!? な、何故ここに……」
「ウェッソン」
 また呼ぶ声。
「サツキ!?」
 いないはずの人間にうろたえるウェッソンの耳に、彼を呼ぶ声は増えていく。
「ウェッソン」
「ウェッソン」
「ウーちゃん」
「ウェッソンさん」
「こら、ウー太郎」
「ウェッソン」
「ワン」
「ウェッソン」
「ウェッソン」
「見つけたぞ、死神」
「ウーさん」
「ウェッソン」
 いつのまにかウェッソンの前には女たちが集っていた。
「カレン。タチアナ。ジョアンナ。リサ。マリン。リブレ。ポチ。ミリィ。カタリナ。リビエラ。アネット。ミシェル……」
「新しい娘? けど、また捨てるんでしょ?」
 誰かが言った。その言葉に、サリーがウェッソンを見上げる。

「捨てるんですかぁ、ウェッソン……」
「ま、待て。捨てるわけ…いや、それ以前にそういった関係ですら……」
 ウェッソンはじりじりと下がり、女たちはじりじりと近付いてくる。
「ま、待て、落ち着け」
 ウェッソンはとりあえず女たちの先頭にいるサリーに言った。だが、サリーは泣きそうな表情で言う。
「捨てちゃあ、イヤですぅ」
「待――」
 次の瞬間、女たちは雪崩れのようにウェッソンに向かってきた。逃げ切れない。


「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 叫び声とともにウェッソンは飛び起きた。場所は――いつも通りの部屋。
「お、俺は……」
 ウェッソンは頭を振った。
夢を見たはずだが、思い出せない。何かを見たことは憶えていても、それを記憶の中から引き出すことは出来なかった。
 ウェッソンの気だるい朝は、ここから始まる。



END


[Themz]
[Sally]
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